第14回景観散歩               小谷 滋(会員)
          横浜の「山手西洋館とジェラール水屋敷」めぐり
10月31日(月)、市の福祉バスを利用して行ってきました。当日は予報では午前中は雨でしたが、出発前には雨も上がり、参加者40名がバスに乗車して、定刻8時半にふれあい広場前を出発。会長挨拶、幹事の行程案内を聞き、視野の高いバスの車窓から高く聳えるスカイツリー、横浜港沖に浮かぶ沢山の船などの景色を楽しむうち、順調に目的地横浜に到着です。

さて、下車して散策に移るのですが、バスの運転手さんの意向で、下見を重ねたところと違う街に下車して歩き始めることになりました。出会った何人かに目的地への行き先を尋ね、スタート地点のイタリア山庭園に着きました。山手西洋館めぐりは各人の自由行動で、イタリア山庭園・外交官の家・ベーリックホール・エリスマン邸・山手111番館・横浜イギリス館等を約1時間半かけてまわりました。馬の背のような山手通りは、閑静で落ち着いた通りで、アパートでも周囲に配慮した色調にされているのに感心しました。12時半に港の見える丘公園に全員到着です。

ベイブリッジを背景に記念写真を済ませ、外人墓地横の見尻坂を下りジェラール水屋敷に向かいました。ここは、幕末の頃横浜に居住したフランス人ジェラール氏がこの貯水槽を使って、良質な湧水を外航船や山手居留地に水を供給した場所です。この水は、船舶がインド洋に行くまで腐らずに使えたそうです。この水槽は国の登録有形文化財に指定されています。
横浜の公園で
40人が参加
先日、NHKの番組「ブラタモリ」でもジェラール水屋敷が放映されました。お昼は中華街の食事処「廣翔記新館」で、春巻き・海老のチリソース・フカヒレスープ・チャーハン等おいしく頂きました。40名がぴったり部屋に収まることが出来たのは何よりでした。昼食後は中華街、山下公園を散策し帰途に着きました。

日立電線土浦工場を訪問                      佐々木 哲明(会員)
「生物多様性保全につながる企業のみどり100選」に選定された日立電線土浦工場(茨城県土浦市木田余)を、11月4日に日立総合経営研修所の長谷川部長に引率していただいて、会員14名で訪問してきました。

この「企業のみどり100選」は、2010年に名古屋市で開催された「生物多様性条約第10回締約国会議(COP10)」にあわせて、企業が取り組む身近な緑地の保全・創出・活用している84の優良事例が選定されたものです。そのうちで日立グループでは、会主催の庭園公開でご協力をいただいている日立総合経営研修所をはじめとして6つの事業所が選ばれています。

工場に到着後、会議室で工場関係者の方々から、日立グループの生物多様性保全活動や土浦工場の紹介についての説明を受けた後、工場敷地内にある「木田余の杜(きだまりのもり)」というビオトープと広大な構内緑地帯の見学をさせていただきました。

ビオトープは、工場の主力製品である銅(カッパー)製品にちなんで「カッパ池」と名付けられた池を中心に維持されていますが、池の周囲にはススキが自生し、水生生物や複数種類のトンボなどが生息している姿が見られるそうです。また、我孫子の日立経営総合研修所の中の湧水池のほとりに自生している私たちにおなじみの落羽松(ラクウショウ)もあったのは印象的でした。
日立製作所の小平浪平創業社長の「よい立木は切らずによけて建てよ」という言葉が受け継がれ、日立グループの各事業所では、原形に近い状態で構内の緑地が維持されているとのことです。企業理念として受け継がれている思想が、「環境ビジョン」の根本として息づいている姿は、景観や自然環境に関心をもっている私たちにとっても、環境問題が課題となっている現代にとっても大切な先人からのメッセージです。(下の写真は「カッパ池」)
カッパ池
・カッパ池

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