400光年彼方の景観                                        吉澤 淳一(会員)
12月初旬の寒い夜、用事で市内つくし野の高台にさしかかると、南に開けた駐車場の一角で、一瞬、おや?この人たちは何をしているのかな、と思う光景に出合った。良く見てみると、白や黒の大きな天体望遠鏡の周りを数人の男達が立ちまわっている。聞き取れない会話も聞こえてくる。何となく判ってきたが一応訊いてみる。「月と木星の姿を楽しんでいます」と返ってきた。
・望遠鏡でのぞく月

「今日は月が綺麗ですよ。どうですか、観てみませんか。」願ってもない、早速手前にあるスコープのファインダーを覗きこむ。メンバーの方がいろいろと焦点を合わせてくれて、半月が見えてきた。大小のクレーターが沢山あって、普段遠目に観る月とはまた違った表情で、あまり美しいとは思えないが、と言うと。「これが良いのですよ、この表情が刻々と変わる、魅せられますね。」そうかと思い、また目を凝らす。徐々に目が慣れてくると、月を観ているという感じでは無くなって、視覚の中に、どこか遠くのバーチャルの世界を覗きこんでいるような感覚が芽生えてきた。距離は38万キロあるという。

次に違うスコープで木星をみせてもらう。こちらは5億4千万キロの彼方の、太陽系の惑星の中で最大の星である。5億4千万キロがどのくらい遠いのか、気が遠くなるような距離であることは確かなようだ。肉眼と比べると「手に取るように」はっきりと観える。木星の特長の水平の輪はわからなかったが、何やら縦に2本の筋がある。説明をいただいたが忘れてしまった。
極めつけは「昴」である。肉眼ではぼうっとしたオレンジがかった光に観えたが、この時は6個の青白い星を確認できた。(谷村新司の「昴」に、「青白き頬のままに・・」という1節があったことを思い出した。)後で調べたら「昴」は漢名で、和名は「すばる」といい、おうし座のプレアデス星団という事だそうだ。自動車のスバルのマークはここから来ている。

この距離は、400光年だと説明してくれた。ネットで調べると、1光年は光(秒速30万キロ)が1年掛って進む距離ということで、それは10兆キロだという。木星の5億4千万キロが想像できないのだから、「昴」の距離ときたら文字通り正に天文学的だ。

こんな宇宙からの光のメッセージを、映像で捉えて楽しんでいるグループが、岸野正栄氏を代表とする、「東葛星見隊」13人の皆さんである。市内外で多くの観察会を開催している。
38万キロ、5億4千万キロ、400光年彼方の景観を紹介してくれた皆さん、ありがとうございました。



・つくし野で星を見る人たち
手賀沼終末処理場についての「まめ知識」 
東日本大震災の影響で、汚染焼却灰の保管場所にここが候補に上がっています。この存在を理解することが大切と思い簡単な解説を掲載します。

手賀沼流域下水道手賀沼終末処理場は、千葉県我孫子市相島新田85-5にある下水処理場。千葉県手賀沼下水道事務所によって管理されている。1981年に稼動を始め、以来手賀沼流域7市[]6,100ha、人口約50万人の汚水を処理、北千葉導水路を通して利根川に放流している。
※我孫子市の全域、白井市、柏市の大部分、松戸市、 流山市、鎌ヶ谷市、印西市の一部

手賀沼流域全体の調和ある発展と公衆衛生の向上や水質保全を図るため、沼流域の下水道事業に着手、1972年に事業が認可・着工され、1981年に、完成・稼動した。これにより沼流域の下水を一手に処理することが可能になり、手賀沼の水質改善にも寄与している。

編 集 後 記
今号の我孫子らしさで安河内さんが「我孫子には小さな魅力がいっぱいある」と述べられています。学校花壇、学び舎への道、手賀沼ウォークを通して改めて我孫子の良さを感じています。
花壇づくりの輪も広がることを願っています。(飯田俊二)

■もどる