仙台、国分町の夜                     瀬戸 勝
「景観あびこ」は会発足の翌年平成14年3月に産声をあげた。

創刊時、既に会活動の主軸を担っておられた佐多さん、吉澤さん、冨樫さん、高野瀬さん、梅津さん等の方々は格調高い景観論を寄稿しておられ、少し遅れて入会された瀧澤さんを含めて、今なお健筆を揮っておられることに深く敬意を表します。

翻って小生は、といえばロクな文も書けず、諸先輩の陰にかくれてウロキョロしているだけですが、一度だけ、皆さんのお役にたったことがあったのでご披露させて頂きます。

平成16年9月、メンバー6人で「オープンガーデンみやぎ」の活動状況見学に、1泊2日で仙台へでかけた。小生は2日間ずっとレンタカーの運転手をつとめたが、驚いたことに誰もナビを使いこなせず、地図をたよりにオープンガーデンの家々を訪ねたのには苦労した。

初日の夕食後、誰言うことなく「国分町(※)へ連れていけ」ときた。諸先輩のご指示に抗え難く、仙台在勤時世話になった(?)店へご案内、早速今日見学の感想を肴に酒盛りがはじまる。
今は亡き斉藤さん、平素「ワシはうまい酒しか飲まん」とおっしゃって我々とはあまりお付き合い頂けなかったが、当夜は「これはうまい」を連発、まわりが心配するほど杯を重ねておられたのには驚いた。今となっては懐かしい思い出である。

また某先輩に至っては、「もと美人」の女将としっかり握手したあと「この手は当分洗わん」と言い出したり、ふだんあまりお目にかかれない一面がとび出して、楽しい一夜となった。

それでも皆さん翌朝平気な顔をして、仙台市役所を訪問するからたいしたもの。景観担当の方(部署の名称が気にいった「街並みデザイン課」!)に面談。アポなし訪問だったのに、親切にいろいろ説明していただいて嬉しかった。

「オープンガーデンみやぎ」訪問の内容については、本誌12・13号に掲載されているので略することとし、その番外編をもう時効と判断して書いてみました。貴重な紙面を汚した内容で申し訳ございません。

(※)「国分町」:仙台市最大の盛り場。飲み屋の数2000軒とか)
「景観あびこ」創刊50号記念にあたって            梅津 一晴
先ずは創刊50号、おめでとう御座います。
  退職して数年した頃の私は、我孫子に骨を埋めるにしては余りにも我孫子を知らな過ぎる、気に入った風景は見当たらない。これは困ったものだ、我孫子を好きになれる様にしようと第四日曜会による清掃活動、我孫子市景観審議委員そして景観形成市民会議等に参加して活動して居りました。また風景スケッチをしながら我孫子の風景を探し求めました。

平成13年6月の当会発足当初の景観論議は、当時の記事を見ますと面々が初心の気構えで一生懸命に論議しています。「景観と風景」とは、「心象風景」は、「電線地中化」無くして街並みの景観を良くすることは難しい、「我孫子の斜面林」は、などなど。10年を経た今日、再度我孫子の景観論議を行ってみるのも良いのではと思いますね。

我孫子の景観を知り、育てるために如何するかと現在ある活動グループが出来ました。街並み班、Fグループ、歴史グループ、環境美化グループ等、それぞれが月1回の散策をして活動の方向性を模索しました。会員数は20名程度と少ないため私の歴史グループは街並み班の高野瀬さん、環境美化班の今は亡き斎藤さんの応援を頂きながら、瀬戸さん、岡さんと一緒に歴史グループの目指す方向を模索して、Fグループと一緒に各地を散策して歩きました。その土地がどんな歴史的背景を持っているか、我孫子市史で調べました。

私が「景観あびこ」に出した初稿は、第5号「景観シンポジウム特集」に出した「一言報告」です。シンポジウムの後に行われた手賀沼風景観察クルージングの報告です。それは雨中に行われたため、雨にぬれ見にくい船窓からの湖岸の景観評価でした。湖岸の自然景観には良い評価がなされた半面、建物評価は広い面をもつ斜面マンションが独占的に手賀沼を眺望すること、そしてコンクリート建物の色彩について疑問点、不快感が寄せられたと報告しています。最近は市の景観行政の向上と開発企業への指導が功を奏し、当時に比べるとかなり街並みの色彩景観は改善されたと思って居ます。

平成20年3月、「美しい手賀沼を愛する市民の連合会」の活動資金を利用して出版する事が出来た「美しい手賀沼と共に生きる あびこの歴史景観を探る」の小冊子は、多くの方々のご協力で纏め上げる事が出来ました。

そしてこの冊子を基に、10回にわたる歴史景観散策会を布佐から始め我孫子全域を歩き回る事が出来ました。散策会に賛同して下さった方々の励ましが有ってこそとメンバーは喜んでおります。御蔭で私は誰よりも我孫子の好きな市民になりました。

根戸城跡からの手賀沼
 「題字」と「シンボルマーク」にまつわる話
                             〜初代編集長 清水昭子さんに聞く〜
会報紙の創刊にあたって、すてきな題字〈景観あびこ〉が欲しいけど、誰にお願いしようかと役員会で話している内に、中島充子さん(現・賛助会員)が「長女に書かせて見ましょうか・・・」ということになりました。

かねて中島さんは彩花(つやか)さんの字が好きだったそうです。全員一致で決まりました。一字一字が楽しげに話しかけてるようでしょう!(↓)
「景観あびこ」の上の四角にドット模様のシンボルマーク?〜これには特別な意味はありません。題字の上の空白が妙に気になり、PCの中から探し出し挿入しました。意味づけると、大地に落ちた雨粒だとか・・・。どうぞ自由にご想像ください!
(文責 濱田洋子)

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