「千葉県24年度第1回景観セミナー」の報告 高野瀬 恒吉（会員） ・主催 千葉県 県土整備部 都市整備局
公園緑地課 景観づくり推進室
・参加者 123人（内＝行政関係100名：一般23名）
・議題 「景観と公共事業」
・講師 堀 繁（東京大学大学院教授・アジア生物資源環境研究センター教授）
＜講義の概要＞
�機坊粉僂砲弔い�（前半）
公共事業と言うと、河川・道路・下水道などを思うが幅広く環境への対応、即ち少子高齢化への対策、個性ある街づくり、街の活性化又は再生などの事業も含まれるが、
「公共事業は」＝景観のために施工されるものではない と前置きして、
改めて、「景観とは？」から講義は進められた。
（話の要旨を箇条書きにすれば）
〜景観は、??をみることであり
〜モノを見ることは、理解の手がかりを見ることである
〜眺めてはいるが、見えているモノと、見えていないモノがある
〜見たいモノの中から見やすいモノを撰ぶとし、
〜見やすいモノとは、程よい大きさのモノにな
る
〜程よい大きさとは、視角に入ってくる範囲に
ある
〜視角の取り方などについて、片腕を前に突き出し拳を立てたり、掌を立てたり実験する（昨年のセミナー報告に記載）
以上を前提に、改めて纏めてみると、
・・・景観とは、「視点」から入る、・・・
・・・「視点」とは見る場所、見やすい場所から見ることにあり、
・・・◆見ている モノは、景観では無く、
・・・◆見ている コトが、景観であると、
論じられた。（◆ 此の反問が、キーポイントかも？）
●要するに、人間が見ている範囲は、視界の27分
の1ほどであるから、潜水艦の潜望鏡で眺める範囲と想像すれば良い、とされた。
以上で、前半は昨年のセミナー（景観あびこ47号7頁参照）＋アルフアーの学習で終った。
●道路と公園の良い景観、良くない景観の写真判定を聴講者も参加しながら、話は進められた。見たいものが、見やすいこと。見る人が満足して呉れる環境づくり。即ち、人間は自己中心で考えているのであるから、私を大事にしてくれる場所づくりが大切である。
●横浜の元町通りは、街路樹・花壇・舗道と車道の按配・道路のベンチの配置などが素晴しいから人がやって来る。人が来れば繁盛する街である。
●景観にベンチ・舗道は人の心に「自己領域を形成」するもので、人を大事にするメッセージを発信している。
例えば、バルセロナの道路は車道よりも舗道を重視して、極端なのは、舗道を真ん中に広く取り、車道は両側に狭い一方交通のものや、市役所の辺りはベンチを一杯設けて癒しの場を設けているなど、日本の「物的効率優先」発想との違いが参考になる。
●「まちづくり」を考えるに、ヨーロッパでは、【まちは、人間の為にある】と教えているが、此処に大きな違いがある。
●公共事業には「考え方に手抜きがある（制約からとしても）と」、出来上がって見たら、「そっぽを向かれる魅力の無い街づくり」に成っていた、と言う結果を招かないよう、配慮が必要である・・・・と結ばれた。
| 以上 |
| （2012・9・1記） |
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| 編 集 後 記 |
| 9月に入っても、暑い日が続いています。例年になく、高気圧が居座っているからだそうです。自然の力にはどうすることもできません。まちづくりは少しづつでも改善努力があれば、果たせるものと思います。根気が必要でしょうか。（飯田） |
