第3回 新四国相馬霊場巡り                     柏原 健子(会員)
9月6日(金)、まだ残暑の厳しい毎日だが、今朝はくもり空、涼しい天候にほっとする。参加者11名で11ヶ所を巡る予定である。9時10分取手駅東口からバスに乗車、東に向かった。戸田井バス停で降り64番札所西光院に着いた。こんもりした木立の中に、64番16番2つの大師堂が残っている。かつてはここ「戸田井の渡し」から舟で次の札所「布佐河岸」に渡ったそうである。道はなだらかな登りになるが、山林が続き、蝉しぐれのなか快適に進む。下りの急坂にさしかかった所から右手眼下に稲刈りのすんだ田圃が見えた。18番阿弥陀堂を経て、72番大日堂に到着する。本尊は大日如来で「大日坂の百庚申」として知られ、参道両脇にたくさんの庚申塔が並んでいる。

「大日坂」の丸太の標識を横目に坂を下ると、先ほど見えた田圃に着く。広大な田圃の彼方には小貝川が流れている。また登りになり街に入った。晩夏と初秋の花々が美しく、果樹も多い通りである。日も照り出し暑くなるが、時に涼しい風も吹きぬけて心地よい。利根川と小貝川に挟まれた台地は我孫子かと錯覚する。道の途中、我孫子にもある坂どうしの四辻を発見!取手版「坂の十字路」だねと喜ぶ。

63番福永寺(海中山)は、四脚門の立派な山門と本堂があり、小休止させて頂いた。大師堂は修復中の立札が建ててある。本堂の中に珍しいものがあると聞いて見せて頂いた。昭和60年頃、墓地にあった榧(カヤ)の木を板にしたら、長い顎鬚の先代住職と、ふっくらした顔にかわいい目をした夫人の顔が板の表と裏に鮮明に浮かびあがってきたという。まるでセピア色の写真を見ているようで驚きと感動を覚えた。寺は中妻貝塚の上に位置していて、寺を出た畑の斜面にも貝殻がびっしり白く見えていた。17番札所の近くに19番明星院がある。昭和53年と新しい。八角形の開山堂(兼永代供養塔)の周囲には石造りの16羅漢像が表情豊かに並んでいる。54番大聖寺は1丈1尺(約3.3m)の木造不動明王坐像が祀られている。

48番安養寺は森の中、15番ぽっくり榎観音は地内に3つのお堂が並んでいるのみである。

66番東谷寺の本尊は如意輪観音で、山門、本堂、大師堂も立派に保持されている。境内には玉あじさい、真紅の山ぼうしの実などたくさんの花木があり、ほっと一息ついた。幾つかの廃寺となった寺もあるが、人々の深い信仰心に支えられて大師堂は残されており、私達もお堂内の大師様に祈りを捧げてきた。小文間小学校バス停からの帰途、利根川の対岸に我孫子市民体育館が望めた。

駅前で昼食をとり、充実した総歩数13,148歩の巡礼でした。
 第4回 新四国相馬霊場巡り                         寺尾 多津枝(会員)
10月15日(火)大型台風26号上陸の天気予報をテレビで見つつ、もしかして中止?集合場所の取手駅東口に着く。善男善女7名が参集。皆さんの勢いに圧倒されて、我が身を奮いたたせる。

さあ今日も弘法大師様にお会いして心を清めていただこう。そして巡る道々の景観との出会いを楽しみに大利根交通バスに乗車。あっと言う間に吉田停留所に着く。案内役の飯塚さんの後について住宅街の中を歩く。7番本泉寺の大師堂は、正面の棟は鬼瓦をのせている。懸魚(げぎょ)には羽を広げた美しい鳳凰、木(き)鼻(ばな)には獅子があり、虹(こう)梁(りょう)、斗?(ときょう)、蟇(かえる)股(また)の彫刻も美しい。

14番地蔵堂、正面欄間の龍と木鼻の獅子には朱の彩色が残っている。すぐ近くの吉田公民館の11番薬師堂でのお参り。こちらも大師堂正面欄間に、龍と木鼻の彫刻が立派である。13番吉田八幡神社内大師堂の裏手には堀があり、佐原の十二橋の風情を感じる。
次に利根川の土手に上がる。(後期高齢者の私に足元を心配して下さる男性に感謝)土手の遊歩道を歩くと川の向こう側は我孫子。取手側から眺めるのは初めてであり、なかなかの景観である。本日のメインイベントは小堀(おおほり)の渡しである。飯塚さんが携帯電話で運行状況を確認する。船は見えるのに台風に備えて運航中止だそうで皆さんがっかり。次回乗船できることを期待して次の札所へ。土手の下にはコスモス、川べりにはススキの群生、河川敷には広大なグランドが整備されている。しばらく眺望に心なごむ。

土手を下って水戸街道に出る。坂道を登ると高台の2番念仏院に着く。台風に備えて住職様か檀家の方かが塔婆を片づけていらっしゃる。挨拶して大師様に参拝する。木造の坐像である。すぐ近くを右に曲がると6番薬師堂に着く。きれいに整備されていて白い秋明菊、白い水引草が清楚である。坂を下り旧水戸街道を渡ったところが3番八坂神社である。

この先から船で小堀地区の常圓寺へ行く予定だったが、急遽変更。水戸街道沿いの「奈良漬けの新六」の角を曲がり長禅寺へ。表参道の石段を最後の力をふりしぼって登ると山門があり、1番5番88番の大師堂がある。さらに弘法大師母堂尊堂を祀った八十八ヶ所総拝堂がある。ここは観覚光音禅師が開基した新四国相馬霊場八十八ヶ所の発願、結願寺である。(不心得者の私にはぴったりのお寺様でした)長い石段をふうふう言いながら登ったことなどすっかり忘れ、駅近くのお店で楽しい一時を過ごし、台風も待っていてくれ無事に帰宅の途についた。

幹事様には本当に頭の下がる思いです。ありがとうございました。 

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