ムクドリの生態について ―ムクドリは悪者かー 小谷 滋(会員)�．爛�ドリは、スズメ目ムクドリ科です。（九官鳥はムクドリの仲間です）
嘴の先から尾の先までの全長が24cm程、雀よりもかなり大きく、ずんぐりとした姿の鳥です。全身が黒っぽく，頬と腰は白、嘴と足はよく目立つオレンジ色です。特に群れて飛び立つ後姿は、腰の中心の白が輝き、それは美しい姿です。鳴声は、ギャーギャーと、お喋りをするようです。
�▲▲献�東部に住んでいる鳥で、日本では全国にいます。多くは、一年中ほぼ同じ地域で生活する「留鳥」です。でも、沖縄だけは「冬鳥」、九州も少ないようです。山地の農村、耕作地、草地から市街地に分布しています。
●フクロウなどの天敵から身を守るため、或いは温暖な気候を求めて都会へ集まる傾向があるようですが、そこではカラスに、卵や抱卵中の親鳥まで狙われます。
��ムクドリが食物を探すのは、川原、農耕地、芝生の原っぱなど開けた場所で、のこのこと歩きながら地面を突いているのは、餌を探しているからです。クモ・ミミズ・カエル・ヘビ等のほか、手賀沼公園の楠木の下で地中から出て来る蝉を待ち伏せして食べるのを見掛けるそうです。
●それと木の実、特に赤く熟した柿は大好物です。一部の穀物も食べる雑食性の鳥です。
�ぬ此淵爛�）の実を好んで食べることから「ムクドリ」の名前が付いたという説があります。
●私の畑で、枝豆の芽を守る網が体に巻きついて衰弱しているムクドリを見付けたことがありました。助けを求めて鳥の博物館に行ったら休館日、山階鳥類研究所の紹介で市役所の手賀沼課を訪れましたが、手賀沼課では多くの傷付いた動物がベランダに保護されていたのには、ビックリしました。優しい課ですね。ムクドリを預かってくれた係の方は、私が保護した場所を聞いて、鳥が回復したらその場所へ放鳥してくれるのだそうです。
●ムクドリの塒としては、埼玉県越谷市にある "宮内庁の鴨場の森" が有名です。半径40km位の範囲から、数十万羽という数のムクドリが此処の竹薮に集まって来て夜を過ごすとの情報を聞いています。私も、昔何度も見かけましたが、巨大なムクドリの群れが夕暮れの空を、さながら海の中の魚影みたいに、右に左に、上に下に、まるで一体の生き物のように躍動する態は壮観でした。塒は日没後も夜中まで喧騒が続いていました。
�Σ翅校勹悄ε群β羆�近辺の樹に群がるムクドリは不評ですが、此の群れは今年生まれの幼鳥が中心で、夏の時期の塒にして集まるのです。鳴き交わす声の姦しさと飛び散る糞害や羽毛に困惑しています。
●樹に網を掛ければ、網の無い隣の樹に、電線に止まるので棘を着けると棘の無い電線に移りイタチごっこに手を焼いているのが現状です。
●だが、ムクドリといえば「騒がしい鳥」というレッテルが大昔から貼られて居るようですが、我が家の経験で知ったことは、「子育て」は、実に静かに行っているのです。我が家の二階の戸袋に毎年「ムクドリの営巣」が行われていたのでしたが、巣作り・抱卵・子育て・巣立ちまで気が付きません。
●期間は、4〜5個の卵を産むのに１週間、抱卵の間は11日程、雛の育児に3週間位で合計すると大凡40日程と思われます。その間、人間に気付かれないように警戒し、静かに営んでいるのでしょうか？糞で庇を汚すとか、後を濁すことはありません。
●ムクドリの被害には、行政もあの手この手で対応していますが、然し、何れも決定的な方法では無さそうで、究極的には鳥と人間の共生に慣れるしかないのではと思われます。
| 編集後記 |
