第9回 新四国相馬霊場巡り ―再発見の道―                     柏原 健子(会員)
3月4日(火)好天、東我孫子駅前を市内8ヶ所の巡礼に8名で出発した。36番札所滝前不動尊は、岡発戸市民の森近くのハケの道沿いにある(ハケの道八景「岡発戸のお遍路道」)。成田線にひき返し、向口踏切を渡り、356号線を横断して下ヶ戸に入ると、74番西音寺に着く。ここまで長い距離を歩く。

65番無量院は、ふれあい工房脇の常磐線のガードをくぐり、南青山の街の中、樹木の茂る台地にあり、同じ境内の南側は八幡神社である。

75番東源寺への道は、旧水戸街道で残されている旧家の佇まいと、街道沿いの景観(まちなみ八景「旧街道の面影が残る柴崎」)に心が和む。

東源寺を出て間もなく55番円福寺で、柴崎神社と隣り合っている。ここから南に歩き、常磐線のガードをくぐり、成田線の高野山踏切を渡り、356号線に出ると27番景勝院に着く。

38番子之神大黒天は、我孫子市消防本部手前にある「左、子の神道」の道標から左折して道なりに歩き、船取線を横断して坂を下り、その先の寄進坂(坂道八景)の階段を上る。
岡発戸峠の坂(坂道八景)を行く
43番延寿院は我孫子宿近くから、同寺の境内に移転したものと聞いている。

今回の札所巡りは、以前歩いた道と、はじめての道が、私の中で繋がり、3時間(2万歩)あまりの、春の野道を行く楽しい巡礼でした。
 第10回 新四国相馬霊場巡り −新木・湖北―                         吉澤 淳一(会員)
4月4日、早朝まで降っていた雨が上がって、曇り空の新木駅に集合したのは9人のお遍路さん。

今回は、成田街道(国道356号)沿いの9つの札所を訪ねた。

最初は新木駅近くの81番長福寺。丁寧な彫り物のあるお堂である。敷地の街道沿いに、「水準点」と記したプレートが建っていて、その下に柱石が埋め込まれている。プレートには、国土交通省国土地理院とある。我孫子には、三角点(3等)は数か所あるが、水準点というのは初めて見た。ネットで調べてみると、それは標高に関する基準点で、ここは19.1802mとあった。利根川河口から80キロも遡って海抜19mしかないことが分かって、少々がっかり。

・28番、宝照院の札所
次の葺不合(ふきあえず)神社では、街道からいったん石段を下り、拝殿に上がる石段手前左側に77番札所があった。葺不合神社は市指定文化財で、本殿の彫刻はあまりにも見事である(81番長福寺の大師堂の彫刻と同一人の作)。しかしながら、車が疾駆する街道からすぐに下り石段の参道になるので、車の置き場所がない。参道入り口近くの街道沿いには数か所の空き地があるので、市でそこを借りて駐車場を設けてもらいところである。是非お願いしたい。

25番地蔵院、29番観音寺を経て、湖北地区公民館で小憩。ここで、一同思いもかけなかった芸術作品に出合った。先達の飯塚さんの、椿の一枝を描いた水墨画が飾られてあって、その優雅な筆致に感嘆の声が。

中峠の街道筋の電話局のとなりにも「水準点」を発見、ここはネットで調べると20.1765mの標高。
お遍路はさらに、60番照妙院、76番龍泉寺、28番宝照院と続く。宝照院の札所の屋根は、ピラミッド型をしていて、柏原さんから宝形造(ほうぎょうづくり 方形造も同じ)という珍しい形で、我孫子ではこの1ヶ所だと教わった。(左の写真)

やがて道は、街道の北側の畑道に入り車の騒音から離れてホッとする。51番法岩寺、22番白泉寺、73番正泉寺と歩を進めると、途中から晴れてきて、どこも満開の桜の出迎えを受けながら12時半に湖北駅近くに到着。美食イタリアンをおなかに詰めて解散となった。

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