我孫子の桜 余話                                     吉澤 淳一(会員)
今年の我孫子の桜には、強烈なスポットライトが当たっていた。
  きっかけは、ご存じ「桜八景」の発表である。2月28日の発表会コンサートと、「桜八景」「水八景」を収録した「我孫子のいろいろ八景見聞綴り 其の三」の発行を皮切りに、各方面が動き出した。
  時系列に紹介してみよう。(市民観桜会は前述P1)

 JR東日本発行「小さな旅」3月号に、手賀沼遊歩道の桜が紹介された。東京近郊の桜スポット8ヵ所のひとつに名を連ねたのである。我孫子の「桜八景」に選ばれたばかりの所である。

 その手賀沼遊歩道の桜が、JR東日本の上野東京ライン開業に合わせて、首都圏3路線(京浜東北線、中央線、京葉線)の「トレインチャンネル」に登場したのである。(3月23日〜29日)遊歩道の桜が次から次へと映し出されていく。市の職員が京浜東北線でチェックしたら、23分に1回出てきたという。乗客がそれをうっとりと観ているのを見ると、誇らしい感覚になると語っていた。

 そうしたら今度は、「あびこ桜おもてなしキャンペーン」が始まった。「小さな旅」や「トレインチャンネル」を見て折角我孫子へやって来ても、そこからどうしたら良いのかわからなかったら、仏作って魂入れずになってしまう。まず、我孫子駅南口の階段両側の壁に、15種類もある遊歩道の桜が名入りのパネルで紹介されていた。アビシルベでは、カラー写真の桜図鑑とマップの入ったリーフレット「手賀沼 桜 遊歩道」が用意され、沿道の協賛店には60本の幟旗が沼へ誘っていた。

 川村学園女子大学のキャンパスは、今年は特に賑わった。構内の見事な桜並木をこの時期に公開してくれているが、「桜八景」に選ばれて、人出が増したように感じた。
川村学園(我孫子市下ヶ戸)の桜並木
※多くの写真が会員のブログ■平賀山荘さんにあります。

 電力中央研究所は、国道沿いの並木が「桜八景」に選ばれたことを機に、近隣の人々に北側構内(国道6号の北側)の桜の巨木群を公開した(4月4日)。構内の奥に向かって、並木や広いスペースに数本ずつのかたまりなど、全てが巨木で見応えのある桜が沢山あって感動した。毎年、市民に公開していただけたら嬉しい。
電力中央研究所(我孫子市我孫子1646)の桜

 ソメイヨシノが絶好調の4月5日(日)、桜の講演会がアビスタで行われていた。
  「遊歩道の桜と日米交流秘話」がタイトルで、講師は我孫子の文化を守る会の村上智雅子さんである。

  手賀沼遊歩道の桜を愛し、研究してきた村上さんのお話は説得力があった。遊歩道の桜は、手賀沼公園から我孫子高校まではソメイヨシノを中心に95本6品種、大橋から滝下広場までは八重が中心で、238本15品種が見られるという。一口に八重桜と言っても、関山(カンザン 写真)、松月(ショウゲツ)、御車返し(ミクルマガエシ)、梅護寺数珠掛桜(バイゴジジュズカケザクラ)、一葉(イチヨウ)、普賢象(フゲンゾウ)、鷲の尾(ワシノオ)等、優雅な名前の品種があることを知った。12日(日)には、村上さんの案内でこれらの桜を観る会も行われた。
  そして日米桜交流は、103年前に贈ったワシントンのポトマック河畔の桜と、お返しのハナミズキで有名である。その裏には病害虫の克服や、日米の様々な人々の協力と努力の積み重ねがあり、興味深かった。

  終わりに村上さんは、「親水広場の桜に並んでハナミズキを植えたら、日米友好のシンボル、記念広場になるのでは」と結んでいる。

 さて、クライマックスは、10日の千葉テレビ朝の番組「シャキット」(6:45〜)での、星野市長生出演の我孫子のPRだ。親水広場前テラスで、手賀沼と桜をバックに我孫子の魅力、我孫子の桜を語り、ふるさと産品を紹介していた。来年3月末まで毎月第2金曜日の朝、我孫子のPRが放送される。

※1,2,3,7は、我孫子の魅力発信室と商業観光課の事業
■もどる