シリーズ 庭園の四季 −3−
                杉村楚人冠邸園の秋                        高木 大祐(会員の友人) 
杉村楚人冠記念館で頭を悩まされる問い合わせの一つが、「紅葉の見ごろはいつですか」というものです。まだ開館してから4回しか紅葉を見ていませんので、見ごろの予想が外れてしまう可能性もあります。

しかし、毎年撮影している写真を見ると、どうやら12月はじめが見ごろと判断して良さそうです。特におすすめは南側の斜面に植えられたイチョウとカエデです。楚人冠邸園の特徴は、何と言っても谷津の地形を取り込んだ高低差があること。アビスタ、白樺文学館方向から上がってくる南の入り口を入ったところで、斜面の上にあるイチョウを見上げるのは、なかなか壮観です。

それとは対照的に、カエデの方は斜面から下に枝を伸ばし、覆いかぶさるようにして邸園に色彩を添えています。これも高低差のある庭ならではの景観です。楚人冠邸園では、平地の公園とは異なる、立体感のある紅葉の景色を楽しんでいただきたいと思います。
写真が趣味の方には、建物越しに見るイチョウもおすすめです。楚人冠記念館の特徴である、建築当初の姿を復元した銅板葺の屋根と、鮮やかな黄色のイチョウとの取り合わせは、ちょっとほかでは見られないものです。

ところで、楚人冠はこんなことを書いています。「樹に在る間は花でも葉でもどことなくけばけばしい美しさであるが、落ちて地に布いては、艶を消した白銀の色どりに似た落付が出て来る」(『続々湖畔吟』より「落葉」)。楚人冠はこう考えて落葉を掃かせなかったと言いますが、さすがに今は毎日清掃をしてしまいます。それでも、午後3時ごろから午後4時30分の閉園までの間、楚人冠の言う落ち着きのある色合いが味わえます。散った葉が井戸に浮かぶ様子も、これまた楚人冠邸園ならではの初冬の風物です。

皆さんもぜひ、杉村楚人冠邸園ならではの紅葉の楽しみ方を見つけてください。
布佐の歴史景観散策に参加して 〜9月21日実施〜          松永 良夫(参加者
このたび会員の木村さんの熱心なお誘いがあり、「竹内神社例大祭を楽しむ集い」に参加させていただきました。

以前から布佐の近辺には、単独又は仲間と一緒に何度も足を運んだ懐かしいところです。今回の計画は、16時15分から18時30分まで周辺を散策し、21時からの宮入を見学との2部構成です。神輿と夜の部は初めてでしたので、興味津々でした。東我孫子駅で、近所の仲間3人と合流し、集合の布佐駅改札口には係の方が出迎えてくださいました。

名前の確認、班別区分等の点呼を済ませ、担当の方の紹介、諸々の説明があり、いよいよ出発です。しばらく歩くと祭りの笛の音が聞こえてきて、いよいよお祭り気分です。
竹内神社では鳥居の話を興味深く聞き、勝蔵院(写真)、愛宕神社、松岡邸、榎本邸、馬頭観音の順で案内していただきました。ここで一応解散になりました。

以後は自由とのことでしたので、我々は仲間と連れ立ってナリタヤの駐車場に行き山車の競演を見学しました。故郷が離れている私には、地元のお祭りとして興味深く、踊る人・笛を吹く人・太鼓をたたく人等活気のある伝統のお祭りをじっくり拝見しました。

クライマックスの宮入りにはまだ時間があるので、中華料理屋で食事を済ませ、時間を見計らって再び竹内神社に向かいます。入口には大勢の見物客で混雑していましたが、階段の上部近くで場所を確保しました。今や遅しと待っていましたが、やがて提灯が艶やかで布佐の若者が担ぐ神輿は力強く、急な階段を危なげなく上っていきます。

評判にたがわず、フィナーレを飾るにふさわしい勇壮なお祭りを堪能しました。ガイドの松村さんをはじめ、ご案内いただいた我孫子の景観を育てる会の皆様に改めて感謝し、同行していただいた地元の仲間と絆を深めるひと時でした。お世話になりました。
"手賀沼の歴史景観を見よう"船上見学会
手賀沼流域フォーラム(主催:美手連)のプログラムとして10月3日(土)、松村さんの名ガイドで実施した。毎回好評で、約40名の参加者で賑わった。

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