庭園公開 特別な一日              窪田 公昭(庭園公開ボランティア) 
「ここは本当に我孫子なのか!」と驚きの声がもれる。
初夏の季節を迎えた5月の下旬、市内の高野山にある日立総合経営研修所が一日だけの一般開放日を設け、終日賑わった多くの来場者から出た感嘆の声である。

参加する前には仲間内では「えっ、日立の研修所?」「どこにあるのよ」「ああ、もしかしてレイソルの選手が来たりして?」「いやいや、嵐じゃねぇ?」とかなんとかいって集合場所へ見参。特別な一日だけの開放日に特別な場所へ集まったのは、どう見たって普通のおじさん・おばさんである。しかしそのスタッフのみなさんは、紛れもない特別なボランティアの面々だ。きちんとマニュアル化されたテキストに人員配備計画と運営陣営。ゲストボランティアのこちらはほとんど躊躇うことなく、スタッフに加わることができる。
・早朝のスタッフミーティング
広い庭園内を、各ポイント地点を軸に誘導経路とそこに立つスタッフでまわしていくのである。一巡してみるとワイドな広がりと登り降りの高低差に富んだ庭園である。まさに散策するとは、こういう場所を指すのであろう。
季節柄、否が応でも緑が映える。若葉をたたえた樹木を下から見上げると、葉脈(ようみゃく)越しに日差しが降りそそいでくる。色彩だけの印象に留まらず、音響も庭園内の魅力を増幅してくれる。丁度この日はコカリナの演者さんのライブがあり、ほぼ半日演奏しっ放しであった(これが一番お疲れさまでした)。渡る風と遠景で見る緑の草木、竹林、さえずる鳥の鳴き声に重なるコカリナの音色。これは、ひと時の地上の楽園なのだ。

それにしても交わされる会話の言葉たちよ。「こんにちは」「初めてなのにびっくりしちゃった」「いかがでしたか」「いやー素晴らしく良かったですよ!」

庭園内の精霊がもたらす効果であろうか、世俗にまみれたはずの迎える人と来る人。そのどちらもが清々しい気持ちになってしまうのではないか。土地の持つ圧倒的なパワーが人々を浄化させてしまうのである。付きっ切りの東庭園のエスコート、うんちくに輪をかけた湧水池の饒舌な解説、観月台では言わずもがな手賀沼展望を活写、ホトトギス跡地ではこれでもかとお茶の歓待、終盤アンケート場所ではさり気なくしかし強烈なカレー販売。人々を多弁にさせ、深く聞き入るのであった。それぞれが時空のなかで、迎える人も来る人も特別な人々になっていく瞬間であった。

そしてこの精霊は次なる展開を呼ぶ。2016年初夏のイベントは2016年晩秋へと続くのである。庭園を去っていく人々に季節を託して。

こちらも特別の人間になったはずなのに、帰宅後は風呂上りのビール。また世俗に戻ったが、いやーっ、その一杯の旨いことなんのって。
 庭園公開ボランティアに参加して        岡島 洋次(千葉県生涯大学校 地域活動学部) 
今回、「我孫子の景観を育てる会」様が主催する日立総合経営研修所「庭園公開」にボランティアとして参加させて頂き、とても充実した一日を過ごすことができました。

そこには『驚きの体験』がたくさんありました。
まず第一番目の『驚き』は当会の"活動歴の古さ"に加え"組織に厚み"を感じました。例えば、我孫子市との協働体制の確立、各企業様との信頼関係等々数え上げたら限りがありません。

二番目の『驚き』は活動されるメンバーの皆様の意識が非常に高いことでした。来場される方を安全に、そして『おもてなし』することを考え、テキパキと事前準備作業・当日作業等ご自分の担当をこなしていくのです。まさしく「出来るひとが、出来ることを、出来るときに」当会のモットー通りでした。

そして最も『驚いた』のが、用意周到に練られた、「運営マニュアル」「おもてなしマニュアル」「当日資材配置表」「スタッフシフト表」「スタッフ用ガイドブック」等の各資料でした。(右上)

いかに来場された皆様を安全にそして楽しく見学していただくか・・・がキメ細かく決められており、まるで専門家が作成したのではないかと見間違うほどのよく検討された資料が作成されていたのです。正直"すごいな、ここまでやるんだ"とただ感服するだけでした。
・スタッフ用の運営ガイドブック

私は「ホトトギス」跡地の説明、鏡を使った絶景の見方紹介「クロードグラス」などを来場された皆様にご案内をさせて頂きましたが、私も楽しくなり、時間があっという間に過ぎていきました。当日の来場者が約800人と聞きました。多くの方に来場してほしいという思いから、もう少しPR活動について考えてみたくなりました。

そして秋にまた庭園公開が企画されるようであれば、必ず参加しようと思いました。

最後にこのような機会を頂戴した吉澤会長様、二日間にわたり丁寧にご指導を頂きました会員の皆様方に厚く御礼を申し上げます。本当にありがとうございました。

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