我孫子の景観を育てる会 景観あびこ_title 第78号 2017.3.18発行
編集・発行人 吉澤淳一
我孫子市つくし野6-3-7
我孫子景観基礎研究 その2
    2020年に向けた手賀沼の"景観ビジョン"−3
                        建築家・工学博士 野口 修(会員)
2-3. 水辺のオープンカフェ
  「房総カフェ供屡の遺伝子 我孫子手賀沼ー」(暮ラシカルデザイン編集室)を入手した。本書は、我孫子市・旧沼南町の手賀沼流域に点在する魅力的なカフェを取材し、開店に至る店主の思いを地域の歴史・文化を交えた文で紹介している。書中で紹介された"手賀カフェ"を訪ねてみたが、窓辺の風景は、市街地のそれと大きく異なる開放感で、手賀沼と我孫子の街並を眺めながら、ゆっくりとした時間を過ごすことが出来た。全国の大都市圏を中心に水辺空間を見直す試みが顕在化している。県、地方自治体および市民団体が連携して河川法の敷地占用許可を緩和し、河川区域内に期限付きで"オープンカフェ"を開設する社会実験がこの代表例だ。都心の喧噪から離れてカフェのベンチに座ると、水辺の価値を再発見できる。水辺の社会実験で草分けとなったのが、広島市の「水の都」整備構想だ。今年の3月、千葉県主催の勉強会で、広島のオープンカフェ・プロジェクトを牽引する社会実験団体『カフェテラス倶楽部』主宰の都市計画家 松波龍一さんにご講演頂いた。   講演は、1995年に『カフェテラス倶楽部』を結成した当初、手作りのオープンカフェをゲリラ的に展開した話から始まり、市民の方々の賛同、協力を得ながら徐々に規模と公的立場を確立した過程、現在、京橋川で展開する"水辺のオープンカフェ"実験での課題など、大変興味深い内容だった。官民が連携した同様の活動は、川辺のビルと護岸の間にテラスを設け、飲食スペースとして活用した大阪の"大阪川床・北浜テラス"や東京でも『隅田川ルネサンス』の一環として、台東区の隅田公園内にタリーズコーヒーがオープンした。手賀沼の水辺にオープンカフェを想像してみる。水際が近いので、魅力的な空間が出来そうな場所がたくさんある。歴史を孕んだ場所も多いので、地域文化に合せた特徴的なカフェを造ることも可能だ。場所に合わせた蔵書を持つ小さなライブラリーを併設してはどうか?地域の人々が集まって対話できるリビングのような場所も・・・。夢は膨らむばかりだが、まずは行政を巻き込むような市民側の活動が必要なのは間違いない。
■手賀沼七福神プログラム構想(試案)
 手賀沼・手賀川流域に七つの拠点を設定し、拠点ごとに“水辺のオープンカフェ”を構想してみた。七つの拠点は各々が場所
の特性に合わせたテーマを持つ。
 各カフェは、くつろいだ雰囲気で対話を楽しめる“リビング”とテーマに合わせた情報誌や専門書を集めた“ライブラリー”で構成される。(下図:手賀沼公園を想定した“水辺のオープンカフェ”試案イメージ)
上図:手賀沼七福神プログラム・マスタープラン試案(図:DAT/都市環境研究室+加藤建築設計事務所)  ■大きな図へ
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