我孫子のいろいろ八景歩き“成田線車窓八景マップ”完成
これにて、全15巻すべてのマップが勢揃い

「我孫子のいろいろ八景歩き」最後のマップである「成田線車窓八景マップ」が今月完成した。

我孫子・布佐間の車窓から臨む8つの景観を紹介したものである。乗車時間は約17分、マップを片手に前後左右に目を凝らすと、短い時間ながらこれまで見過ごしてきた景観に出合うことができる。中でも先頭車両からの「常磐線オーバークロスと電車区」、「緑の谷を抜ける単線カーブ」は鉄道ファンにはたまらない景観である。今後、JR各駅への配置等も検討中である。

マップは、2015年(平成27年)から3年かけて発行を続け、これをもって遂に全15巻が完成したことになる。我孫子市の「提案型公共サービス民営化事業」の一つ「景観形成市民啓発事業」にて、当会提案の「我孫子のいろいろ八景」が採用され、2012年(平成24年)度より市からの受託を開始した。
最初の3年間は、市民による「我孫子のいろいろ八景探し」で、8つのジャンルごとに八景が選定された。次の3年間はそれぞれの八景の普及・定着期間で、市主催のガイド付き散策会を継続的に実施してきた。

そこで重要な役割を果たしているのが、散策用のガイドマップである。市内を4つのエリアに分けて常磐線、成田線の駅to駅で歩けるようにしている。4つのエリアごとに3コース12巻、これに「桜八景」「水八景」が加わり、今回の成田線車窓八景」で全巻の完成となった。「桜八景マップ」は我孫子市の桜プロジェクトでも使われ、「水八景マップ」は市内小学校の副教材として予定されている。

体裁はA4判あるいはA3判両面の四つ折りで使いやすく、フルカラーのコース図、写真、案内文がコンパクトにまとめられていて好評である。これまでに増刷を重ね、延べ発行枚数は7万部に上る。各マップは、アビシルベ、我孫子市景観推進室にて配布している。
「成田線車窓八景」がダウンロードできる■市のホームページ
「我孫子のいろいろ八景歩き」あれこれ
  「我孫子のいろいろ八景歩き」は、2015年から3年にわたって、12のコースについて延べ24回の散策会を実施し、今年度に入っても続いています。この間、各会員は散策会のスタッフや自由参加として、あるいは個人的にいろいろなコースを歩いています。
  編集部では、会員各人の「我孫子のいろいろ八景歩き」への思いや感想を紹介していくことにしました。題して「私の八景歩き」。トップバッターは全コースを歩いた柏原健子さんの登場です。
「私の八景歩き」 −1−   全12コースを踏破して                  柏原 健子(会員)          
前回リハーサルに参加できなかった最終の4コースを、5月20日からの4週に亘り同行して、全12コースを踏破することができました。

第86号の「景観あびこ」に、各コースの一般参加者の詳細な感想文が載っているので、以下に私の「八景歩き」4コースの感想の一端を記します。

●5月20日(日) マンションストリートから森をぬけるつくし野コース
旧日立精機跡地のマンション群を通りぬけ、行程を進んだ先の高台に、建物の色、高さ、植栽等、整然とした戸建てのまちなみがあり、目を奪われました。寺田の森から6号線を渡り、病院脇の坂道を下った先に「トトロの森」のような根戸森と、その先はフラワーロード(つくし野通り)に続いていました。

●5月27日(日) 将門伝説の地と中里市民の森を行くコース
自然のままの中里市民の森とかまくら道。境内が整備された将門神社や、竹林に埋もれていた「手賀沼殉難教育者の碑」が移設されるなど、保存の手が必要となる事もあります。旧家や薬師堂の史跡が残る中里通りも、昔の面影がところどころ、消えていくように感じられます。

●6月3日(日) 利根川と布佐の里道を歩くコース
栄橋から見る利根川の流れや手賀沼干拓地の遠望は、扇状地に広がる私のふるさとの風景に似ています。篠の越緑地、布佐下の小径の緑陰は、ほっと心を癒してくれる景観です。
湖北台でのリハーサル風景
左から4人目が筆者

●6月10日(日) ハケの道と坂道の岡発戸こもれびコース
東我孫子のまちなみを通り、手賀沼を眺望するポイントは、はじめて通る道です。その先の急な下りを下りた地点は、思いがけないハケの道でした。道沿いの滝不動を横目に、湖北から我孫子へと通いなれた道なのです。市街地の台地から手賀沼畔のハケの道へと、我孫子の地形を実感したコースでした。

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