旧武者小路実篤邸跡の特別公開と"八景歩き付き特別版"
11月22日(金)、23日(土)に我孫子市教育委員会主催で開催された掲題に、我孫子エリアメンバーを中心に、八景歩きツアーの企画と当日のガイドとサポート及び庭園の案内役で13名が参加した。

生憎、両日とも終日雨模様で寒さも厳しくスタッフは大変だったが、遠く石川県や愛知県など遠方からの来場者も含め、数多くの方々に邸内と紅葉真っ盛りな庭園を見学していただいた。お土産は、川村学園女子大学の栄養士をめざす学生が大正時代のレシピを元に商品開発した漬物だった。(龍岡慎一)
(秋の庭園から見る母屋)
参加者レポート
11月23日(勤労感謝の日)、降りしきる雨の中、旧武者小路実篤邸跡の特別公開に参加させて頂きました。我孫子には幾度となく訪れていましたが、旧邸跡は今回が初訪問。
 けやきプラザから白樺文学館へ。さらに旧邸跡へと傘をさしてのウォーキングにはなってしまいましたが、傘を手放すこともできない雨も、濡れてぐしゃぐしゃになった靴も大切な思い出です。
いつもは閉ざされていた門の中は、外から想像していた以上に広々としており、緑も豊かで、雨の中つややかに輝く紅葉も相まって、美しさに感じいっておりました。現在の旧邸跡にある建物は戦後のもので、生育した植栽に隠れて手賀沼も当時のように臨むことは叶わないとのこと。残念ではないと言えば嘘になりますが、当時の全てをそのまま残すのは非常に難しいことですし、わずか1年ばかりでこの地を去った武者小路先生の作った空間であれば猶更です。往時そのままとはいかずとも、当時と、こうして公開に至るまでの年月と、想いを馳せるには十分な空間でした。
樹々が立派に成長する程の年月が経ちながらも、場所を残し、更にこのように公開に尽力して下さる皆様がいたからこそ、私はここに立つ事ができているのだと思うと本当に幸せで、今だからこそ味わえる感動がそこにはありました。携わった皆様、本当にありがとうございます。

またの機会と、また新しい誰かがこの感動を味わう事を願っております。(女性参加者)

千葉県認定景観づくり地域活動団体意見交換会に出席して    中塚 和枝(会員)
11月20日(水)午後、柏市酒井根の下田の杜(しただのもり)で意見交換会が行われ、認定団体13団体のうち5団体12名、県公園緑地課職員3名、柏市都市計画課職員3名の合計18名が参加した。
南柏駅からバスで10分程の所にある下田の杜は、5.4ha(その内の22.0haは柏市の公園)の大きさで、1日100tの豊富な湧水の池や水田、畑、昆虫観察用の広場などがある。周りは台地で、南と北に奥の深い斜面林、南の森には稲荷神社、北の森には野馬土手があり、東は生産緑地(果樹園)になっている。南東と西に出入り口が開かれていて、すぐ側に住宅地があり、まさにまちの中の森や谷津である。(下の写真)

下田の杜を散策したあと、近隣センターの意見交換会で「NPO法人下田の杜里山フォ―ラム」の日頃の活動紹介があった。

ここでは、近隣の小中学校4校、かしわ下田の杜友の会「ふくろう隊」、ボーイスカウトの子ども達が田植えや稲刈りなど自然に触れる体験をしている。地主さんは景観や環境に対し高い見識を持ち、理解と協力を惜しまず、さらに柏市の支援、保全する市民の志、体験者として参加する子ども達。つまり地権者、行政、市民、次世代者が上手にコラボして"下田の杜"が成り立っている。そしてこれはまちの中にある身近な里山だからできるのだと思った。

千葉大学の北原名誉教授は『市街地の景観づくりは市場原理で行うと成功するが、里山の景観づくりは、市場原理でやると失敗をする。共助が必要。次世代を巻き込むと成功する。まちづくりの初めは"住み良いまちづくり"、次は"歩けるまちづくり"と続き、これからは"マネジメントするまちづくり"になるだろう』と話は続いた。

まちの中のオアシスのような"下田の杜"は、ぜひ家族や友人達と訪れ、散策を楽しみたいと思った。
<お詫びと訂正> 94号のP1「おでかけ倶楽部」の中で、(櫂の木)は(楷の木)の誤りでした。
お詫びして訂正いたします。 ※このWEBページでは修正済みです。
編 集 後 記
新年もあっという間に小正月も過ぎました。
皆様はおせち料理を召し上がりましたか?おせちには、甘いもの、酸っぱいもの、柔らかいもの、噛み応えのあるもの等いろいろな味の、めでたく伝統的なものが重箱にきれいに詰め合わされていますね。「でももう食べ飽きた」という方に『景観あびこ』というおせちをお届けします。「この記事は、このページにする?」「写真がきれいなこの記事は、ここへ」と、ページを開いたら「美味しそう!(読みたい)」と思ってもらえるような紙面作りを編集部一同で考えました。今年一年が夢のある活動となるような願いや歴史になりつつある行事の記事もあります。ご愛読のほどを! (秋田桂子)

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