10月
・20日(火) 布佐・新木三大緑地コース
・24日(土) 白樺派の散歩道と水辺のまちなみコース
・29日(木)"守られた自然"かじ池・谷津を巡るコース
・31日(土) 将門伝説の地と中里市民の森を行くコース
参加者募集します
「坂道八景」に異変があった…                中塚 和枝(会員)
「景観あびこ98号」に吉澤さんの「回顧録7―我孫子の坂道研究―」が掲載された。

その中に「子之神寄進坂に手擦が付いた」と一文がある。人づてに聞いた吉澤さんは現地を確認し、手擦が設置された経緯やその形状等を書いている。地元の自治会の要望により、市民の通行安全のため今年の4月に設置された。私も見てきたところ写真の通りに出来上がっていた。確かに市民の安全が一番大事である。
手摺のついた子之神寄進坂

しかし、明治32年に庶民がお金を出し合って造った石段の参道である。一円、二円と寄進額と寄進者の名前が刻まれた石柱の上部が無残に切断され、名前などが解読不能となった。
かつて、庚申塔や馬頭観音が村の入り口等にあったが、宅地造成や道路工事の際に一ヶ所にまとめられた。今回そのような措置がとれなかったのだろうか。

我孫子は宿場町であったが歴史的建造物が少ないというべきか、ほとんど無いと言ってもいい。昔の面影を残した一里塚もあれば、拡幅された道路端に石碑だけの一里塚もある。
杉村楚人冠は、手賀沼の干拓に対し「埋め立てて田にすることはいつでもできるが、いったん埋め立てた田を湖水に戻すことは永劫出来ない」との思いから「手賀沼保勝会」を作り干拓反対運動を展開した。

今回のことはそれほど大上段に構えることではないかもしれないが、一度壊した物は元に戻せない。誠に残念だとしか言いようがない。
一方、天神坂東側の数十年経ったと思われる樹木1本が根元から1メートルあたりでバッサリと切られて、天神坂が明るくなった。(下写真)
アビスタから見た天神坂

景観推進室へ問い合わせたところ、これも市民の安全の為に切られたと聞いた。もちろん市民の安全が一番大事である。南側に張り出し傾いた枝の剪定だけで済ませられなかったのだろうか。

今年の春、天神山緑地に嘉納治五郎の銅像が建立され、我孫子を訪れる人の流れが若干変化したようである。この辺りは景観上からも手賀沼が眺望でき、三樹荘や天神坂があり、白樺派の散策コースとしても重要ポイントである。我孫子の看板にな
りうる場所であるので景観にも配慮が必要だと思う。

これらの件があって、景観推進室は、庁内の各部署(全職員)に向けて、「我孫子のいろいろ八景」のPR及び八景に変化を生じかねない工事等を行う場合は、事前に景観推進室に知らせるよう一斉メールで通知をした。その後早速、公園・緑地を管理する部署から何度か相談があったと聞いた。この素早い行動とその継続に、今後とも都市計画課景観推進室に期待し、信頼をしている。

市民のみなさん、「我孫子のいろいろ八景」で散策を楽しんでください。景観は皆さんに関心を持って見られることにより、更に良く育ちます。
編 集 後 記
  今号は冨樫さんの「景観の本棚 −3−」、吉澤さんの「回顧録8・9」と中身の濃い読み応えのある8ページ建てになりました。実にお二人が精力的に活動をなさっていたものだと尊敬と感動を覚えます。
 今年は新型コロナ感染症対策で活動の自粛が多く、9月の"市民のチカラまつり"も1日だけの開催で、ポスターの展示のみとなりました。10月に"いろいろ八景歩き"が予定されていますが、無事に行われるよう細心の注意を払って実施しましょう。
  また、同じく10月から3月まで6か月間「我孫子のいろいろ八景」の巡回パネル展示が始まります。市民の皆さんにお近くの近隣センターなど公共施設で見て頂きたいと思います。(上記参照)
  次号は『100号記念号』です。皆様、ぜひ原稿をお寄せ下さい。(中塚和枝)

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