-34- でっかいどう! 北海道!
  宮内 昭男(会員)
-35- 見つけた? まちの景観
    大久保 慎吾(会員)


札幌市の「前田森林公園」のカナール(運河)は、何も無い原野を切り開き昭和57年から10年かけて作られました。

石狩湾を背にして手稲山に向かって約600mまっすぐに伸びています。両側の約200本程のポプラが空を仰ぐ景色に感動しました。まさに北海道を感じさせます。


「ゲゲゲの鬼太郎」の作者で有名な故水木しげる氏が、鳥取の境港市出身であるのにちなんで、米子空港は「米子鬼太郎空港」の名称で知られています。その米子空港の前にある派出所は、普段我々が都会で見慣れている外観と違い、鬼太郎の名にふさわしい趣きのある派出所の施設で、空港の名称の名にピッタリな風景でした。
 白樺コンサートを聴講して 
        8月20日(日)  大久保 慎吾(会員)
志賀直哉生誕140周年を記念して「白樺コンサート」が我孫子市民プラザで開催された(写真下:プログラム)


第一部は、朗読とピアノの演奏で志賀直哉の作品3作を白樺文学館朗読スタッフ4名が朗読。

1作目は1954年発表の「リーチのこと」。我孫子ゆかりのバーナード・リーチとの思い出を綴った作品で、柳宗悦邸にあった窯の火事の件やロンドンでの再会の話しなど。リーチとの出会いは志賀26歳、リーチ22歳の時でリーチは我孫子を「人生の思い出の地」と語っていた。

2作目は志賀48歳の随筆で1931年作の「リズム」彼は響くという連想を「リズム」と語っている。彼の審美観、仕事への態度、美学が垣間見える作品で、彼は我孫子から京都、奈良へ移住して西洋美術から東洋美術へ傾倒していく。
3作目は1919年作の「流行感冒」世界的な流行となったスペイン風邪を題材とした作品であり、2019年以降の新型コロナウイルス感染症との類似点が多く、NHKでドラマ化されている。流行感冒の中理性を失いむやみに人間不信に陥った主人公が、人への信頼を取り戻し日常に帰るまでの'心理的な綾'を描いた作品で長編な為、朗読者も2名で行われ後半を当会会員の秋田桂子さんが朗読された(写真下)


志賀が我孫子在住期に流行感冒が我孫子にも流行ってきて、娘の左枝子への健康に対しての過敏な対応が面白い。

第二部は、白樺文学館の有名な学芸員稲村氏のトークとピアノ演奏で楽しい2時間を終えた。
編 集 後 記
  4年ぶりにコロナ禍の規制がない自由な夏でした。多少の不安は残っていますが、旅行やスポーツの声出し観戦、会食、観劇などを友人や家族とともに楽しまれたことでしょう。
  「白樺コンサート」で秋田さんが朗読された「流行感冒」を聞きながら、100年程前と現代がシンクロして、主人公の行動や心情の移ろいが私たちとあまり変わりが無いなどとよくわかりました。
  さて、気分も一新して9月から八景歩きが始まります。参加者の応募方法が今回から電話とネット申し込みの2通りになり、戸惑う方もいるのではないでしょうか。「布佐の歴史景観散策会」も4年ぶりの開催。又「居ながら八景歩き」も予定されていて、普通に活動できると思うとわくわくします。これからも良い景観の為に、皆さんとともに楽しく活動を続けましょう。(中塚和枝)

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