第30回 日立庭園公開 開催報告  12月9日(土)     大久保 慎吾(会員) 
今年で30回目の記念開催日を冬空の晴天の中迎えました。朝の準備作業時には、多少冷えていた気温もお昼頃には16℃と絶好の紅葉狩り日和となりました。10時の開園前から既に多くの来場者がお見えになり、開園と同時に受付は人の行列が途絶えない状態が続きました。

西庭園の写真撮影スポットではスタッフがお客様の誘導をしながら、撮影係も兼任しての大忙しの状況。西庭園の休憩広場では、我孫子コカリナサークル"あびこ"によるコカリナの演奏で庭園内を散策する人々の心を和ませていた。

4年振りに再開した食堂での「白樺派カレー」限定200食は開園20分で完売。管理棟裏での「白樺派レトルトカレー」も当日完売の盛況ぶりで、コロナ禍がようやく落ち着き、来場者も久し振りに紅葉をゆっくりと楽しみたいという雰囲気になったのではと思います。我孫子駅では日立庭園へ行かれる人が多く並ばれて、臨時バスも増便されたと後で聞きびっくりしました。

受付の賑わい
当日の入場者数は平成21年の2,800人に次ぐ2,733人の記録。昨年の入場者数が1,218人だったので、当初用意していた庭園公開の案内パンフレット1,500部が直ぐに無くなり、近くのコンビニ店で急遽コピーをしましたが、それでも間に合わず日立さんがその状況を見て自社のコピー機で増刷してくださったので何とか無事対応。今年は、我孫子市役所からは景観推進室の林課長が来場されました。マスコミも、J:COMや「みんなのミュージアム」が取材に来られました。

この素晴らしい庭園景観を公開していただき、当日早朝まで庭園の落葉の清掃等準備をしてくださった(株)日立アカデミー様に深く感謝申し上げます。今後も我孫子における貴重な景観資産であるこの庭園を守り慈しんでいきたいと思います。大勢のご来場者、ボランティアの皆様、コカリナ演奏の皆様、資材貸与・運搬の我孫子市、商工会、社会福祉協議会、及び「白樺派のカレー」の提供をしてくださった一富士フードサービス(株)様に厚くお礼申し上げます。運営は(株)日立アカデミー、当会。スタッフは当会会員、三樹会会員、旧村川別荘市民ガイド、長寿大学生、ボランティアの総勢62名で行いました。皆様ご協力ありがとうございました。

もみじの広場でコカリナ演奏を聴く来場者
ほととぎす邸跡から見た手賀沼の眺望 散策路の紅葉
日立庭園公開 定点観察       吉澤 淳一(会員)
今回の私の担当シフトは、「西庭園最初の分岐点」で、多くの来場者に接するという幸運に恵まれた場所でした。

 そこは、明るい開放感のある東庭園から自然林の西庭園に入った最初のポイントで、まず盛りの紅葉に目を奪われます。最初のスマホスポットのところです。
  3時間ここに立っていて感じたことが3つありました。
ヒマラヤスギと紅葉の競艶
その1は、景観にスマホをかざす人の多いことでした。紅葉をバックに友人・家族を撮る、自撮りをする、紅葉そのものをいろいろなアングルから撮る、スマホの出現で、現代社会においては老若男女みんながアマチュアカメラマンになりました。先日美術展を観に上野駅の公園口を出た時のことです。目の前に立ち並ぶ大銀杏が見事に金色に輝いていて、みなスマホを取り出してそこでストップ、そんなシーンを思い出しました。

その2は、此の分岐点に聳え立つヒマラヤスギと紅葉の競艶です(左の写真)
  若いカップルがその根元から真上を見て感嘆の声をあげていました。何事かと私も見てみたらそこに写真の光景があったのです。これには驚きました。新景観がそこにありました。皆さんに声をかけたことは言うまでもありません。大きな一眼レフを2台も持ったセミプロのような方は10分近くも釘付けでした。

その3です。このポイントはこれから西庭園に向かう人、一巡して帰る人が交差する場所です。したがって、これから先の景観に期待する人、流れてくるコカリナの音色が気になる人、紅葉の小径を通ったので今度は竹林の小径を歩きたいと戻る人、坂道は歩けないのでショートカットする人、素晴らしかったとお礼を述べる人、白樺派のカレーをゲットして満足げな人、などなど様々な人との出会いを楽しませてもらいました。

  皆さんもそれぞれの持ち場でいろいろな出会いや発見をしたことでしょう。
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