![]() 「Well−Being」(ウエル-ビーイング) の時代に都市の風景を探る 冨樫 道廣(会員) |
||||||
《コラム》 | ||||||
ここに2枚の美麗な花を咲かせた木々を見ていただきたいのである。これは我孫子ではない。私が通う江戸崎のゴルフ場の一角である。 今から約10年前、ゴルフ場が50周年を迎え、みんなが何か植樹をしたいと言いだした。寄付を集め、約200万円近くになって、さて何をと議論がはじまり、そこに登場したのは我孫子の景観の仲間3人だったのである。それは、樹木医の高野さんと、野口さん、それに私が理事として、高野さんに樹木を選んでもらった。 野口さんに一帯のレイアウトをお願いして植樹は無事に済んだものの、毎年何年過ぎても花が咲かないのである。今年やっと9年目に咲いたのである。きっかけは2年ばかり前になるが、その根もとに2〜3本の同種の苗木を植えたことが分かった。 花はその仲間が咲かせてくれたのだろうか。花も仲間がいなければ、ゴルフ場の呉越同舟とはならないのかも知れない。 |
|
|||||
故 冨樫道廣さんを偲んで 野口 修(会員) | ||||||
冨樫さんにお会いしたのは、12年前、大学の同門会だった。初めて参加した我孫子の会だったので、幹部の方の後を付いて席を回る中で紹介された。 細身の紳士然とした出で立ちで、後方の席に座り、静かに飲んでいらっしゃった。建築家として活動していることを説明すると、「よし、手伝ってくれ」と一言あって、3日後には岡発戸市民の森で我孫子ゴルフ倶楽部の景観に関するレクチャーを受けていた。 とにかく博学で、色々なことに興味を持たれ、特に景観に関して社会システムの問題から"風景"との違いまで、細かく議論を交わすのが楽しかったし、勉強にもなった。 我孫子ゴルフ倶楽部の件は、欧米を参照した誰でも自由にアクセスでき、プレーしない方でも緑地としては平等に共有できるスタイルを考えていたようで、その思想は、当会が主催する観桜会などに反映されている。 冨樫さんの熱心な働きかけで、13番ホールの裏にあった万年塀は、シースルーの鋼製フェンスに置き換えられ、市民の森の整備と相まって緑地としての広がりを感じさせるようになった。 |
また、折々、特徴のある文字で書かれた手紙を頂いた。棚田に関する記事の切り抜きや景観あびこに投稿した拙文への感想など、どの手紙もダイナミックな思考を感じさせる内容で、景観の手引き書だった。「いつか街路樹について論を交えたい」と締め括られた四枚綴りの手紙が最後となったが、お手引き頂いた身としては、本号に掲載された最後の文章で「景観の仲間」と書いて頂けたことがなんとも嬉しかった。 あらためて感謝とご冥福をお祈りします。
|
|||||
![]() |
||||||
|
||||||
![]() |
![]() |
![]() |
||||
■もどる |