| 我孫子の景観を育てる会 | ![]() 創刊 2002.3.29 |
第123号 2024.9.21発行 発行人 中塚和枝 我孫子市緑2-1-8 Tel 04-7182-7272 編集人 大久保慎吾 |
アジアとヨーロッパの2大陸にまたがり、古代より東洋と西洋の文明が交差する十字路に位置する不思議なイスラム教国とは?また世界有数の親日国とは?それはトルコである。面積が日本の2倍もあり北は黒海、南は地中海に面し、中央部はアナトリア高原が広がる国土には、ギリシャやローマなどの古代遺跡、キノコ状の奇岩で知られるカッパドキアなど世界の旅人を魅了する観光名所が多い。そんな魅惑的なトルコを、51年前の1973年3月の初訪問以降10度も訪れた。最初は商社マンとして出張し、1970年代のクウェート駐在時代は家族を帯同して出かけ、リタイア後も旅行した。同国を訪れた時に必ず立ち寄るのが、情緒豊かな最大都市イスタンブール。
ボスポラス海峡を挟んで両大陸にまたがる開放的な港町の歴史は古く、紀元前660年に遡る。その後はコンスタンティノープルと呼ばれ、ローマ帝国やビザンティン帝国などの都であった。1923年にアンカラに遷都するまではオスマン帝国の首都としても繁栄、今や人口は1400万人を超える。筆者は半世紀以上にわたりイスタンブールをずっと見守ってきたが、幾多の民族が往き交い文明興亡の舞台となり東西の接点となった街の奥行きの深さを思い知らされる。また、1973年に海峡に初めて全長1560mの第一ボスポラス大橋(7月15日殉教者の橋)が架かった以外は、古い街並みの景観があまり変化が見受けられないことにも驚かされる古都である。
「世界で唯一2つの大陸にまたがる街」とか「ヨーロッパとアジアの架け橋の街」などと呼ばれるイスタンブールだが、見どころはヨーロッパ側の旧市街に見どころが多い。金角湾を挟んで南側に位置する旧市街は、何度訪れても飽きる事がない。特にトプカプ宮殿、ブルーモスク、アヤソフィヤ、グランド・バザールの4点セットは、誰もが知っている必見の定番観光スポットだ。 先ず東端にあるのが、オスマン帝国時代のスルタン(王)の栄華が偲ばれるトプカプ宮殿。15世紀半ばから20世紀初め絶大な権力を持っていた支配者の居城になったが、現在は博物館として往時の栄華を極めた様子を伝えている。
城壁に囲まれた70万�屬箸い�広大な敷地に、中庭を囲むように世界に誇る様々な秘宝の建物が点在する。円錐状の屋根を持ち四角柱が特徴的な議事堂、歴代のスルタンが暮らした居室、1,200人の料理人が働いた調理場、エメラルドの部屋などがある豪華な宝物館、世界に誇る陶磁器コレクションのほかに、多数の側室の女性たちも暮らした秘密めいたハレムの部屋などが興味深い。 この宮殿の南西隣に建つのが、ビザンチン教会からイスラム教のジャミイ(モスク)に姿を変えたアヤソフィヤ。赤茶色の建物は、直径31mの大ドームの丸屋根がひときわ目立つ。当初の東ローマ帝国時代はギリシャ正教の大本山として建立されたが、その後はイスラム教寺院として使われ、1935年には博物館となった。しかし、2020年7月エルドアン大統領はモスクへ回帰する大統領令に署名した。内部にはビザンチン文化を象徴する多数のモザイクが残るが、1453年オスマントルコに陥落後は漆喰で塗り込められモスクになった。キリスト教とイスラム教が同居する珍しい建物だ。
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アヤソフィヤから350mほど南西にあるのが、世界で最も美しいモスクと評され、10万人も収容できるスルタンアフメット・ジャミイ。オスマン帝国第14代の皇帝、スルタン・アフメット1世が1616年に建てたイスラム教寺院で、高さ43mの6本のミナレット(尖塔)と直径27.5mの大ドームが印象的。内壁を飾る青タイルは様々な紋様を描き、建物全体してもドームに青いイズニック・タイルが使われブルーの美しさを演出し「ブルーモスク」の愛称で知られる。モスク内部に敷き詰められた絨毯も様々な色柄が組み合わさり、ステンドグラスと共に見事である。 このモスクから西へ約1km進むと、グランド・バザール、現地のトルコ語ではカパル・チャルシュと呼ぶ屋根付き市場がある。エスニックな香りが漂う巨大な屋内市場の出入口は20余もあり、中の通りも迷路のように入り組み、一度入り込んだら同じ出入口から出るのは困難だ。世界で一番大きく且つ最も古いバザールと言われるが、4,000軒の様々な店がひしめき合い色とりどりの商品が所狭しと売られ興味深い。
先述のアヤソフィヤの西隣の地下に造られた通称イエレバタン・サルヌジュという地下宮殿も必見だ。正式名はバシリカ・シスタン(バシリカ貯水槽)と言い、4世紀から6世紀に造られた地下の大貯水池は、重要な水瓶としてトプカプ宮殿に住んだスルタンの喉を潤したとか。この宮殿の目玉は一番奥に横たわる2つの巨大なメドゥーサ(ギリシア神話に登場する怪物でゴルゴーン3姉妹の1人の顔)で、逆さに建つ首が謎めき何とも妖しい。 バザールから約1km北上すると急に視界が開け、金角湾に架かるガラタ橋に出る。全長490mの跳ね橋を渡ると、旧市街と雰囲気が異なる近代的な感じの新市街に出る。カラキョイ地区にある眺望の良い石造りのガラタ塔に立ち寄った後、メインストリートのイスティクラール通りを2kmほど北上すると、新市街の中心タクシム広場に出る。広場の中心には、トルコ共和国建国の父である初代大統領のケマル・アタテュルクなどが中央に立つ「共和国の記念碑」という高さ12mの彫刻がある。また広場周辺には、カフェやレストラン、ショッピングを楽しめる様々なお店、5つ星ホテルなどがそろっており華やかな雰囲気が漂う。
広場から1km余東進すると風光明媚なボスポラス海峡に出る。その岸辺に建つのがドルマバフチェ宮殿。1854年に31代目のスルタン、アブドゥルメジットがそれまでの木造宮殿を大理石を使った壮麗なものに建て直し、その後オスマン時代後期の6人のスルタンが使用した。宮殿の総面積は15,000�屐△覆鵑班�屋数は285もある。この宮殿を有名にしたのは、官邸として使用していたケマル・アタテュルク大統領が1938年11月10日に執務中に亡くなったこと。
ほかにイスタンブール観光で見逃せないのが、心地良いボスポラス海峡クルーズ、オベリスクが建つローマ時代に造られた競馬競技場跡ヒッポドローム、禁欲的なイスラム圏では滅多に見られないセクシーなベリーダンスの鑑賞などがある。特に開放感と爽快感が満喫できるクルーズは、船上よりドルマバフチェ宮殿、巨大要塞ルメリ・ヒサール、スルタン夏の離宮ベイレルベイ宮殿、ボスポラス海峡の小島に建つクズ塔(乙女の塔)などが眺望できる。 |
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