- 9 - 竹内神社前のクロマツの並木道(布佐地区)
           中塚 和枝(会員)
● 布佐の高台にある竹内神社は、その一連の丘陵と成田線の線路際の低地まで、地形をそのまま巧みに生かした宮ノ森公園と一体となって古い歴史を感じます。

その参道は、石造りの明神鳥居と子連れ獅子の前までの約100mのクロマツの並木です。かつて田んぼの中でしたが、現在は住宅地と布佐中学校の校庭に挟まれています。両側60本余り、樹齢や幹の太さがバラバラで、樹形も永年風雪に耐えてきたかのようにそれぞれが斜めに傾き、ある1本はフェンスの途中からはみ出して校庭側へ伸びています。葉は濃い緑色、樹皮は黒っぽく節のようにごつごつとして武骨な感じがします。クロマツは海岸沿いに多く、砂防林や防風林として強風に耐えて根を張っています。

一方、アカマツは内陸部に植生し、幹の上部の樹皮は滑らかで赤褐色、葉も明るい緑色で樹形はのびやかで美しく華やかな感じがします。我孫子にはアカマツの林が多かったそうですが、近年松くい虫の被害で多くが枯れてしまい、今では日立アカデミー我孫子キャンパス、我孫子ゴルフ倶楽部内、電力中央研究所内などに残っているだけです。気象台記念公園にも残っていたのですが、今年の春先に45本近くが伐採され、8月に訪れた時は更に5本が立ち枯れていて残りはあとわずかでした。減少していくのはとても残念です。
竹内神社参道のクロマツ

 街路樹としての松は神社の参道やお城の周辺などでは見かけますが、一般道路ではあまり見かけません。街路樹は歩行者を 強い日差しから守ったり、安らぎを与えたり、ドライバーの視線を誘導するなどさまざまな役割を担い、そのまちの顔、通りの顔でもあります。竹内神社の祭礼などから考えると、やはりあの参道の並木は、地面に力強く根を張るクロマツが相応しいのではないだろうか。、
-37- でっかいどう
        北海道(大学)
   宮内 昭男(会員)

真夏のひまわり畑   鈴木 洋子(会員)

この写真は、北海道大学札幌キャンパスの「中央ローン」と呼ばれている場所です。

ここは、豊平川扇状地の北端に位置し、昭和初期まではサケが溯上していたそうです。札幌駅から5分くらいの場所ですが、「でっかいどう北海道大学」です。


布佐の「榎本家住宅」が
国の登録有形文化財になりました!
  令和6年7月19日(金)に、国の文化審議会文化財分科会は、文部科学大臣に対し、我孫子市所在の「榎本家住宅」を答申。官報告示されると登録有形文化財(建造物)となり、我孫子市内にある国の登録文化財は「根本家住宅」に続き2例目となりました。
  指定対象となったのは、「母屋」「離れ」「北土蔵」「窯場」「正門」「稲荷社」の6つ。
我孫子の景観賞(景観賞10周年 景観特別賞)にもなっています。
8月の初旬、近所の畑で1万本のヒマワリが咲いていると聞き自転車を走らせました。

館山駅を過ぎると内房線鴨川方面は単線になるのですが、次の駅の九重駅との間の線路脇の休耕田にひまわり畑が広がっていました。

地元の農家の人で3年前に休耕田活性化のためにつくった「たてやま緑の仲間たち」を中心に、毎年夏にはヒマワリ、秋にはコスモスを植えて市民を楽しませてくれています。



残念ながら電車は行ったばかりでしたので踏切だけ写真に入れてみましたが、館山市内には45ヵ所も踏切があります。海あり山あり田畑ありという土地柄なので、線路で生活が分断されるからでしょう。

我孫子も線路が市内を縦断しているので、小さい踏切がいくつかありますね。
編 集 後 記


  熱中症アラートが頻繁に発令された今年の夏、会の活動も自粛モードでした。今号は、世界の街角景観、我孫子の魅力再発見、あびこの並木道のシリーズ中心に掲載しました。世界の街角景観ではトルコのイスタンブールが取り上げられています。日本では木造建築が主流で、火災に見舞われることが多いのですが、こちらでは、教会や宮殿、さらに古いまちなみ景観が残されていることに感銘を受けています。旧武者小路実篤邸跡のレポートでは、邸内の庭から手賀沼を臨むことができ、文人たちが愛した手賀沼沿いの景観を見ることができる空間となっています。明るい話題に、布佐の「榎本家住宅」が国の登録有形文化財(建築)に登録されました。古いものを大切にしていきたいものです。(飯田俊二)

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