第31回 日立庭園公開 開催報告   12月7日(土)   飯田 俊二(会員) 
今年一番の冷え込みが予想され当日を迎えましたが、風もなく晴天の中、お昼頃には気温12度ほどで、絶好の紅葉狩り日和となりました。午前10時の開園前から多くの来場者がお見えになり、開園と同時に受付は人の行列が途絶えない状態が続きました。

西庭園の写真撮影スポットでは、スタッフがクロードグラスによる観賞を勧め、お客様の歓声の中、スムーズな誘導に努めていました。西庭園の休憩広場では我孫子コカリナサークル"あびこ"によるコカリナの演奏で庭園内を散策する人々の心を和ませてくれました。食堂での「白樺派カレー」200食は開園早々で完売。管理棟横での「白樺派レトルトカレー」も完売の盛況ぶりでした。

当日の入場者数は2,207人で前年の2,733人には及びませんが無事終えることが出来ました。今年は星野市長、渡辺副市長がお見えになり、(株)日立アカデミーの新社長川村肇様とご歓談され園内を巡っていただきました。マスコミもJ:COMが取材に訪れてくれました。

"ほととぎす"跡の前から手賀沼を望む来場者

西庭園の紅葉

この素晴らしい庭園景観を公開していただき、当日早朝まで庭園の落葉の清掃等市民の方のお迎えの準備をしていただいた(株)日立アカデミー様に深く感謝申し上げます。今後も我孫子における貴重な景観資産であるこの庭園を守り慈しんでいきたいと思います。大勢のご来場者、ボランティアの皆様、コカリナ演奏の皆様、資材貸与・運搬の我孫子市、社会福祉協議会及び「白樺派のカレー」の提供をしていただいた 一冨士フードサービス(株)様に厚くお礼申し上げます。

運営は(株)日立アカデミー、当会会員、三樹会会員、旧村川別荘市民ガイド、長寿大学48期生、市の勧誘による中央学院大学生他一般ボランティアの皆様、総勢42名で行いました。スタッフの皆様ありがとうございました。


庭園公開 ・・・" 魔法の鏡 "      吉澤 淳一(会員)
庭園公開はどういうわけかお天気に恵まれる。今年も昨年に続いて、青空の下での紅葉をたっぷり楽しんでいただいた。

 私の持ち場は昨年同様に西庭園最初の岐路のポイントで、秋田さんと一緒にお客様をご案内した。ここにも巨大なヒマラヤ杉があり、庭園最初の紅葉に出会う場所である。昨年の会報(119号)に、ここから見上げるヒマラヤスギと紅葉の取り合わせの美しさを、新景観の発見として寄稿したが、今回はその新景観のさらなる新景観を、皆さんに楽しんでいただいた。

会では庭園公開のお客様サービスとして手鏡を用意し、各景観ポイントで鏡に映る景観を紹介している。圧巻は観月台や茶亭「ほととぎす」跡からの手賀沼の絶景である。手賀沼を背にして鏡を頭上に掲げ、そこに映る手賀沼の景色を見るのである。広大な手賀沼が小さな鏡の中に凝縮して見えるその様に、何とも言えない不思議な感覚を味わえるのである。

 私たちは、この鏡を使って頭上の景観を手元で楽しむ方法をお客様に伝えたら、その新景観にあちこちで歓声が上がるほど驚き喜んでもらえた。胸やお腹の高さに鏡を持ち、そこに映る青空の下の紅葉や聳えるヒマラヤスギの姿を見て、思わず掴みたくなるような衝動を受けるのである。新景観のさらなる新景観の誕生である。(右上の写真)

この鏡遊びの発端は、当会も関わっている旧村川別荘の市民ガイドの研修にあった。アウトドアのプロが来て、来荘者が庭を楽しむ方法として、この鏡の魔術を教えてくれたものだ。それを庭園公開に応用したものである。イギリス文学に詳しい会員が、こういう鏡の使い方は、その昔イギリス湖水地方の景観を楽しむために、フランス人の画家が考案したものであることを教えてくれた。その画家の名前から「クロードグラス」と呼ばれていたとも。このことは「我孫子の景観を育てる会 回顧録」の日立総合経営研修所庭園公開の項に詳述している。回顧録には庭園公開の成り立ちから今日までの経緯が詳しく載っているので、最近入会された方々には、ほかの項も含めて是非読んでいただきたいものである。

日立アカデミーの皆様、ありがとうございました。会長はじめスタッフの皆様お疲れさまでした。

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