-14- 中峠大和団地中央に伸びるトウカエデの並木道
     (湖北エリア)     飯田 俊二(会員)
国道6号線から東へ伸びる日出通りを進み、両側に田園が広がる所を通り過ぎると法岩院。古利根沼への交差点から大和団地に入ります。大和団地の中央の道路の両側に、約500mにわたって92本のトウカエデ(注)が植えられています。このエリアは我孫子市のほぼ中央に位置し、昭和51年7月中峠区画整理事業が認可され、開発されたところです。住民の方の行き届いた清掃をはじめ、年2回の大掃除も実施され、きれいな街路樹を形成しています。
トウカエデの並木道は、布佐・新木エリアで「やすらぎの道と街路樹」(113号)と、天王台エリアであやめ通り「何気ない風景の中に」(117号)でも取り上げられています。国土交通省の「わが街の街路樹」の統計資料によりますと、イチョウ、サクラ類、ケヤキ、ハナミズキに次いで5番目に位置しています。
(注)トウカエデ:カエデ科の落葉高木。中国原産で古くから日本で街路樹、庭園樹として使われている。葉は3浅裂、裏に白粉があり、紅葉が美しい。春、淡黄色の花が開く、秋に翼果むすぶ。(広辞苑より)
-55- 「船戸の森の会」の活動
  大久保 慎吾(会員)
以前「船戸の森の会」の発足時、景観あびこ33号(2009年9月)で掲載したが、それから16年経過したので、現在の活動状況を会長の玉田千代子さんに取材させていただいた。

平成21年(2009年)に我孫子市緑のボランティア「船戸の森の会」を立ち上げ、現在は会員39名、常時活動するメンバーは17、8名。活動日は第1、3土曜日、第2、4金曜日の月4回で朝9時半〜約2時間。活動内容は、草刈り、竹切り、剪定、枯れ木の伐採などの森の整備。船戸の森は我孫子市、千葉県、国の財務局と管轄が3つに区分けされているが、管理自体は我孫子市の公園緑地課と道路課が行っている。

運営は、会員の年会費1000円、その他第4小学校とPTA、めばえ幼稚園や近隣の店舗の賛助会員(一口1000円)で賄っている。市からは草刈り機や一輪車等の貸与もあるが、大半は会員個人の大工道具や工具持参で作業を行っている。

近隣の4小からは、春・秋の校外学習として自然豊かな船戸の森の自然観察を行っていて、森の中に4小の子ども達が描いた絵の立て看板があちこちに見られる。暑い中での活動で一番励みになるのは、散歩する人から「ご苦労様、気持ちよく散歩させていただいております」との感謝の言葉だと話された。こうした地道な活動のお陰で、昔は昼間でも暗くて女性や子どもが一人で歩くのは怖かった場所も、今では道も綺麗に清掃され、下草や危ない樹木も伐採され、自然の良さが楽しめる子ども達の遊び場の森となっている。

この活動が高く評価されて、平成28年(2016年)6月「国土交通大臣賞」を受賞。子ども向けのイベントとして、夏は七夕の竹切り、カブトムシやクワガタ探し、秋には手賀沼トラストと連携して枯れ枝拾いとさつま芋堀り、巣箱の営巣の有無の記録、冬には四十雀の巣箱かけを継続している。
 会員は70〜80代が中心で高齢化が進む中、「て・と・り・あ」が募集する?2次学習体験ボランティア?として、毎年小学生親子と中学生以上の10組を船戸の森の会が受け入れていて、次世代の子ども達に将来の我孫子の自然環境維持の為の種をまいているとの事。

会員募集は常に行っているので、興味のある方は是非入会して欲しいと話された。こうしたボランティア活動をされている人達のお陰で我孫子の豊かな自然環境が守られていることを取材して改めて実感し、同時に同年代の人達が作業をしながら元気溌剌と頑張っている姿を見て自分自身も元気をもらい、当会でも負けないように活動する意欲が湧いた。
暑い中での草刈り作業
編 集 後 記

  危険な暑さの長かった夏がやっと峠を越し、遅い秋の気配が感じられる候となりました。
  今号では、そんな中でも変わらず長く活動を続けているボランティアの会が紹介されました。当会も長く活動していますが、自分の体と相談しながら楽しく活動していくことが続けるコツでしょうか。また、当紙の記事には寄稿者の気持ちが込められているので、これも本誌が継続できている大きな力だと思います。本当に感謝です。まだデビューしていない方の寄稿を随時募集中ですので、よろしくお願いします。楽しみにお待ちしています。(鈴木洋子)

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