-38- 荻窪の三庭園とグリーンスローモビリティ
  10月9日(木)   上平 充子(会員)
今回のおでかけ倶楽部は、今年7月発行の景観あびこ128号に掲載された当会員の野口修さんの寄稿にあった荻窪の「荻外荘」と、「小型電動バス/グリーンスローモビリティ」をぜひ見てみたい!ということで企画された。

野口さんがガイド役を買って出て下さり、更にそのグリーンスローモビリティ(グリスロ)を我孫子に!と今年5月より活動されているNPO法人「あいのり・あびこ・・・」の代表田中さんと黒葛原(つづらばら)さんのお2人がゲストで参加され、総勢23名での散策となった。

荻窪駅西口から発車するグリスロに乗車する数名と徒歩に分かれて、荻窪三庭園(大田黒公園・角川公園・荻外荘公園)を巡った。以前生活圏内で駅周りをよく訪れた荻窪は騒がしい印象だったが、南側のエリアは閑静な住宅街で個性的な住宅が多く、空襲に遭わなかった為残った三庭園を含む遺構と合わせてつくられている街だと今回初めて知った。
大田黒公園。正門から庭園へ向かう
樹齢100年以上のイチョウ並木道
歩いていると、三庭園や公共施設へ案内・誘導する為の丸が並ぶデザインの路面案内ステッカーが道路に表示されていて、また三庭園の観光案板も統一されたデザインで設置されまち歩きをサポートしていた。そしてグリスロ(時速20km/5?7人乗り/坂道・狭い道に強くゴルフカートの様な車両)がなんとも可愛らしいフォルムでゆっくりと公道を走る風景は、配慮のある街という印象を生む。我孫子の遺構を結んで走らせたいと構想される野口さん。一方まちづくりと、高齢者など地域住民の移送支援を叶えて我孫子を活性化したいと熱く語って下さった田中さん。大好きな我孫子にこのほのぼのとしたグリスロが走る所を想像すると、なかなか素敵な景観だとわくわくした。

荻外荘の南側の芝生広場。後ろに見えるのは近衛文麿の居宅(荻外荘)
☆☆☆
-15- 天王台地区の並木道を巡って(天王台エリア)
           小佐川 孝美(会員)
並木道といえば、坂本スミ子さんの『たそがれの御堂筋』のメロディーが流れてきます。大阪梅田から難波まで約4km、900本のイチョウ並木です。近年、イチョウの悪臭を敬遠する声がある為、雄木への植え替えが進んでいると聞いています。

翻って、この原稿を書くにあたり我孫子市天王台地区6つの並木道を巡りました。その中でも青山台の日の出通りは、市の木であるケヤキの並木(写真下)がイメージ通りに空に向かって伸びていました。両側の歩道に落ち葉が目立ち、一枚の葉を拾いあげますと、その葉は、赤、橙、黄、茶色と混在するまだら模様で弧を描く鋸葉でした。この様な葉の色合い、派手さはありませんがグラデーションのある紅葉を楽しませてくれます。最近、鳥の博物館の学芸員の方に教えて頂いたのですが、全身に黄色を帯びたカワラヒラという鳥が、茂ったケヤキの並木にボールの様な巣を作るとのことです。鳴き声を調べましたら「キリコロロ」と鳴くそうです。お散歩の時に耳をすましてみると聞こえるかもしれません。


もう一か所小さな区間ですが、ビオトープのある高野山宮脇調整池のモミジ(写真下)の鮮やかな緑に目を奪われました。

傍らにヤマハギが楚々と咲き心が癒される空間でした。ここではなぜか、大好きなアセビの花の名所である奈良の「ささやきの小径」を思い出しました。この近くには我孫子にゆかりのある志賀直哉の旧居を見ることができます。

私は、この度並木道について書くことにより、改めて並木道をゆっくりと味わうことができ、並木道が人の心を優しく癒してくれるということに気づきました。自宅の近くの並木道も新たな気持ちで楽しもうと思います。


≪紹介1≫ ≪紹介2≫
あびこ市民活動ステーションの「くらしむ あびこ」創刊号(9/30発行)に、野口さんの荻外荘の寄稿、おでかけ倶楽部で荻窪の三庭園の散策(10/9)にゲストとして参加された 「あいのり・あびこ・・・」の活動が紹介されています。  10/23の読売新聞夕刊の「でかける」の特集に、荻外荘が大きく取り上げられていて、「大田黒庭園」「角川庭園」「荻外荘公園」を「荻窪三庭園」としてPRしたところ、訪れる人が増えたと紹介されていました。

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