-41- 偽八ヶ岳     吉澤 淳一(会員)
山梨県の甲府盆地から北方を眺めると、両端に端正な裾野を広げた小連峰が目に入ってきます。富士山、南アルプス、奥秩父連峰の高峰を望む中で、低山ながらその美しい山容が目立ちます。茅ヶ岳と言い日本百名山の一つです。

若い頃、南北中央アルプスや八ヶ岳登山の帰りの車窓から眺めると、さっき見た八ヶ岳がまた現れたかと驚いたものです。八ヶ岳の最高峰・赤岳が2,899m、この山は1,704m、1,000m以上も低いのに錯覚してしまうほどよく似ているのです。そこから「偽八ヶ岳・にせ八つ」の異名があります。(この写真を撮っているとき「八ヶ岳にはまだ雪がありませんね」と声をかけてきた人がいたくらいです)尊敬する日本百名山の深田久弥先生が、この山の頂上直下で脳溢血で倒られ亡くなられたことを知ったのは後年の事でした。何度も見ているこの山に登っていなかったことを悔やんでいます。
本物の八ヶ岳 (八ヶ岳観光協会のHPより)
河口湖からの富士山と初日の出
          撮影:大久保慎吾(会員)


我孫子の奥深さ
   武馬 美恵子(会員の友人)
昨年10月に我孫子を訪れ、友人の秋田桂子さんと連れ合いの卓さんに、我孫子の歴史、文化の旅に案内してもらいました。

手賀沼対岸のロシア正教の教会になっているニコライゆかりの跡、藁屋根の民家が教会という不思議さ。朝井まかての『白光』のモデルになった、山下りんのイコン画(レプリカでしたが)を見ることができ感動しました。

日本中には古墳があります。私の生まれ育った群馬にも、今住んでいる岐阜県可児市にも。戦争中は防空壕に利用したり、現在は耕して畑にしてしまったり墓地になっていたりですが、我孫子の金山城址古墳は、市民が歴史を学び、楽しく活用しているように見受けました。

遺されたものを今に活かすには、今そこに住んでいる人々の意識にあると思います。古墳を崩して麦畑や道路や住宅にするか、遺すか…。我孫子の景観と歴史を愛する市民の心が伝わってきました。

  また、我孫子駅南口と北口の駅前花壇が市民の力で美しく整えられていたり、古墳の周りが整備され緑豊かな公園があったり(高野山桃山公園)、武者小路実篤や志賀直哉の文豪が住んでいたりと、桂子さんからいただいている「我孫子の景観を育てる会」の会報紙で知っていたつもりでしたが、実際その場に立つとその歴史や文化の奥深さ、自然の美しさに「おお、我孫子よ」。
映画『暗夜行路』特別上映会 を観て
         秋田 桂子(会員)
私は「白樺文学館」の朗読ボランティアをしているが、たまたま11月に、池辺良が志賀直哉全集に書いた『軽井沢にて』というエッセイを読んだばかりだったので、表記の催し物がけやきプラザふれあいホールで、12月10日(水)行われることを知り、我孫子ゆかりの作家の映画化でもあり、迷うことなく出かけた。

昭和34年製作の白黒映画、監督は豊田四郎、出演は池辺良・淡島千景・山本富士子・仲代達也など。見渡せば、きっと「懐かしい顔ぶれ!」と期待を持ってスクリーンを見つめていると感じられる観客層だ。池辺良演ずる時任謙作は、志賀直哉の自伝的要素が強いと言われ、自分の出生の秘密を抱えて苦悩し、その上、父親の妾と同居する奇妙な日常生活をし、さらに不安定な結婚生活を送るという重苦しい、何とも観ていて辛いシーンが多かった。けれど終盤では、妻との穏やかな生活を送る姿があり、ほっとする心持になった。

上映後のミニトークでは、志賀直哉の孫にあたる山田裕氏がインタビュアーに答える形式だったが、興味深く聞いた。

編 集 後 記
  中塚会長の新年の挨拶で始まり、新たな年のスタートです。今新春号は、シリーズ2年目に入る野口修さんの「我孫子景観基礎研究3」、10回目を迎える今野さんの「我孫子の魅力再発見」のシリーズや、この時期恒例の「日立庭園公開」関連、「新春手賀沼ウォーク」他バラエティに富んだ記事が満載です。
  今年は元旦恒例の手賀大橋からの初日の出を拝むことができませんでしたが、帰り道に坂道八景の富士見坂から雪の富士山が望め、心身共に健康な一年を過ごせるように祈願しました。会員の皆さまも健康に留意され一緒に頑張りましょう!(龍岡慎一)

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