竹灯篭の夕べ
 
〜大正のたたずまいに新たな灯りをともす〜
日時 2009年 9月12日(土)・13日(日) 18:00〜21:00
会場 旧村川別荘(我孫子市寿2丁目 子の神神社の隣り) 参加費無料
我孫子市指定文化財の旧村川別荘で、秋の風物詩「竹灯篭の夕べ」を開催。
旧村川別荘には、まだ電気が通じていなかった昭和初めに使用された灯篭が残されています。
また、別荘内に自生する竹を利用した「竹灯篭」による幻想的なライトアップで、旧村川別荘の新たな魅力を創出しました。       
竹灯篭のアプローチ 旧村川別邸と竹灯篭
・竹林のアプローチに沿って並ぶ竹灯篭。 ・灯かりのともる別荘とあいまって、秋の風情が漂う。
清虚洞一弦琴の演奏に聴き入る 清虚洞一弦琴の演奏
・清虚洞一弦琴の演奏に聴き入る人たち。 ・琴の音色は、秋の虫の声と合せて格別の情緒でした。
今年は、2日間とも開催できました。
3回目となる旧村川別荘の竹灯篭の夕べ・・・大変多くのお客様に足を運んでいただきました。
本当にありがとうございました。                               
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金曜日の夜、土曜日の天気予報は午後から弱い雨。実施時間のみ曇りの危うい天気予報。それでもなるべく実施したいとの気持ちから、明日の午後3時に決定をすることにして、電話の録音メッセージは祈るように「現在のところ実施予定です」と入れました。

土曜日、朝から雨です。しかもどしゃぶり。空を見上げてため息ばかり。ところが午後になったら、雨はやみ空は明るくなってきました。誰かの行いがよいのだと実施を決定!

午後3時から準備開始です。今年は、昨年の教訓を活かして、どこの方向から見ても斜面の灯篭がきれいに見えるように灯篭の向きを一方に偏らないように気をつけながらの設置です。そして、石段にはよりきめ細かく配置し、足元の暗がりを少しでも解消させようと気をつけました。

いよいよ6時。薄暮の村川に5000の灯りがともりました。竹林の中に見え隠れする数え切れないほどの灯り。なんだか新たな命が吹き込まれ、別荘に新しい時間が流れ出したようにも思えます。そして、お待ちかねのコカリナが奏でられ始めると、いらした方々は母屋の前庭に大集合!歩く隙間もありません。少し物悲しげな、けれども芯の強さを奥に秘めたコカリナの音、そして、やさしく繊細なギターの音色が、夜へと移り行く村川の空へ響きわたっていきます。みな耳をそばだてて聴き入っていました。そして、下草の中からは虫の音が・・・コカリナと寄り添うように聞こえていました。あたりには灯篭がまたたき、この演奏を一緒に楽しんでいるようでした。

しかし!7時半を過ぎた頃、突然の大雨。どしゃぶりです。ほとんどの方が急ぎ足で帰路につき、演奏者の鈴木さん(コカリナ)、宮内さん(ギター)はやっとのことでそれぞれ母屋と新館に避難。なんと、そこでも演奏を続けてくださったのです。8時過ぎにはやみそうもない空に降参し、残念ながら早仕舞いとしました。

2日目は、何の心配をいらないお天気で、準備も心軽く始めました。が、昨日の雨で蝋燭の芯がぬれたまま乾いておらず、なかなか灯がつきません。6時になっても、やっと半分くらい。それでもボランティアのみなさんのお力をお借りして、なんとか邸内中が光に彩られ一安心。そうこうしているうちに、一絃琴という1本の絃だけの琴の演奏が始まりました。演奏は清虚洞一絃琴のみなさんです。美しい和装の方々4人による演奏。庭側からはみなさん食い入るように母屋のすぐそばで、演奏を目と耳と両方で楽しんでおられました。幽玄な一絃琴の音色と和服による演奏は、村川の母屋にはぴったりでした。

2回目の演奏が終わり、8時半ごろになると人影もまばらに。灯篭の光だけがあたりを静かに照らし、庭の片隅では、曼珠沙華が一株、来年を約束するようにひっそりと咲いているだけとなりました。
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<実施データ>
イベント名 竹灯篭の夕べ
日時    平成21年9月12日(土)午後6時から午後8時まで
           9月13日(日)午後6時から午後9時まで
場所    旧村川別荘
来場者数  1日目 404人、2日目980人、合計1,384人
スタッフ  職員5人 ガイド9人
演奏    コカリナ:鈴木鈴子さん、ギター:宮内俊郎さん
      一絃琴 :清虚洞一絃琴のみなさん
記・旧村川別荘市民ガイド
竹灯篭の夕べ2009ポスター
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