オープンガーデンみやぎ 見学記
《オープンガーデン》とは、ガーデニングの本場イギリスでは70年前ほどから行われている、個人の庭を一定期間一般の人に公開するという活動です。
ここ仙台では、地域に密着したガーデン情報が詰まった1冊の本、「仙台スモールガーデン情報ブック」の発行をきっかけに、庭好きの主婦が中心になって「オープンガーデンみやぎ」というグループを1998年に発足しました。美しい庭を持つ人同士が知り合い、ネットワークをつくり、庭に招待しあいます。

そんな個人の庭めぐりと、ガーデニング愛好家同士の交流を深めるのが目的ですが、ちょっと殺伐としているこの頃の日本、小さな小さな「オープンガーデンみやぎ」の活動を通じて、人と人のコミュニケーションの輪が広がれば、そして自宅の前庭から町並みが美しくなっていけば・・・そんな願いもこめられています。(ホームページより)

オープンガーデンの活動をしているグループは、全国で50数件ありますが(インターネット調べ)、活動のひろがりや「庭から街並みへ」というコンセプトの明快さ、そして我孫子からの交通の便を考慮して、今回は「オープンガーデンみやぎ」を見学の対象にさせてもらいました。そして、見学申し入れに対するご快諾を得て、実施の運びとなったものです。ご説明、ご案内いただいた理事の皆様にこの場を借りて、心より御礼申し上げます。(吉澤)


平成16年9月30日、当会吉澤会長以下6名は、台風21号の北上を追う形で、新幹線で仙台へ。レンタカーで泉区の前会長邸を往訪。高台の閑静な住宅街の一角にあり、敷地120坪の大屋根の瀟洒な建物、前後庭ともたっぷりとってあり、門、塀なし、花壇に沿って歩むと隣家との境に小さな山小屋風のテラスがあって楽しそう。
車で近くの林間にある会員宅に移動して、会長、理事の皆さんからつぎのような説明をうけました。

「オープンガーデンみやぎ」の会員は260名。企業会員36社。理事は花好きの女性14名。会員の皆さんは、ガーデニングを愛する人であれば誰でも入会ができ、年会費は3500円。行政よりの補助は受けていない。毎年30ヶ所前後の庭を公開。ガーデンバスツアーは昨年まで実施していたが、現在は戸別訪問の形をとっているとのこと。
会報誌「オープンガーデン」は年4〜6回発行。またホームページで、活動報告、情報公開を行っている。事業としては、会員向けの講演会、ガーデニング講演会など多様なセミナーを開催。イングランド・ガーデンツアー(有志による)も実施。
オープンガーデンの特徴としては、殆どが手作りで、公開している庭主を地域的に見ると、市内8割、ニュータウン内1〜2区画の庭7割、中心市街地の小さな庭は1割。
個人宅では庭を公開するかたわらカルチャー教室や小さなカフェを開く庭主も多い。


以上のお話を伺ったあと、芋沢のA邸を訪ねた。裏のひと山全体が庭園化、木道、池、ベンチ、四阿を配し、高台には山小屋風の展望台があり、そこから奥羽山脈、蔵王が遠望できる眺望絶景の庭園でした。


さらにガーデンヒルズ街区の豪邸街をみて、泉パークタウンにあるO邸へ。外観が素晴しい。シンボルツリーにバラの花壇を配し、玄関に至る両側には、大鉢を並列。特に注目したのは、隣家との境の緑道である。市の話ではディベロッパーが設けたとか。生活環境、都市景観からみても優れたものである。奥様のご好意で手作りのケーキと紅茶をいただき、見事な屋上庭園を見学して辞去した。

翌10月1日には、仙台市都市整備局街並みデザイン課景観係を訪ね、お二人の職員の親切な応対と、丁寧な資料に基づいて説明を受け、その足で、古い町並みが残る河原町を訪ねたあと、三列の美しいけやき並木の、定禅寺通りなど杜の都の景観に触れることができ、台風一過、晴れやかな仙台の街並みを後に帰京した。(高橋)



編集後記

 今夏、病を得て、都内の病院に入院しました。病棟の9階からは、空気が澄み、晴れているときは、富士山が望め、新宿御苑と明治神宮の緑の向こうに新宿の超高層郡と素晴らしい景観でした。毎日、きょうは富士山が見えるかなと楽しみでした。夜はニューヨークのような夜景につらさも和むようでした。
 美しい景観は、病人にも良い薬だと思いました。そして、美しい景観はそれが見える場所が必要だと痛感しました。(清水)

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