ぶ ら り 散 歩
佐 多 英 昭(会員)
天王台駅南口ロータリーの前に立ち、駅前広場を見渡し、街の姿をながめる。

信号の交差点を渡り右に行くと、すぐ天王台公園だ。親子ずれが遊んでいる公園を斜めに横切り、階段を下りると駐車場とスーパーがある。スーパーの前を通るとすぐ集合住宅、最近出来たアルファタウン天王台だ。

ここは平成15年に景観奨励賞を得た住宅群、低層の建物のまわりは、芝生や、きめ細かな植栽によって、豊かな外部空間となり、良好な景観となっている。年とともに一層落着いた住まいの環境になっていくだろう。ここから駅前道りにもどり、JR線上に掛かる小暮橋の上から周辺の住宅街が見渡せる。

356号線を渡り商店街の端に自転車店がある。ここからゆるいカーブの下り坂道だ。道の両袖の斜面の段々にはツツジの植込みがあり、歩道はハナミズキの並木となっていて、春先はいつも美しい花が咲き、目を楽しませてくれる。
坂道を下りずに自転車店の脇道に入り左に行くとT字路に突き当たる。左側の滝前橋からは手賀沼が望める。橋を渡って下って歩くとハケの道となっている。

T字路を右に歩くと左側はアベニュー高野山、景観の良い住宅街である。住宅のデザインにまとまりがあり、通りに面して、コンパクトにオープンガーデンとなっている。良く手入れされた植込みが、道行く人々に心安らぐ環境と景観を見せてくれている。
住みよい環境と景観は、ここに住む人々の努力によって保たれているといえる。
この住宅街の一角には、手賀沼が一望できる小さな高野山大久保緑地があり、誰しもがちよっと立ち寄って眺望を楽しめるようになっている。

通りに戻って進むと左側は日立綜合経営研修所である。平成15年に景観賞を受賞したところで、通りに面して石積みにツツジとサツキの植込み、サザンカの生垣が通りの景観を素晴らしくしている。高い松の木の列とも合わせて落着いた雰囲気の通りとなっている。

対面にある住宅街の植込みも良く手入れされていて、この辺り一帯はなかなかの良質の景観と言える。この日立総合研修所内の庭園は、普段は入れないが、春と秋の年二回当会の働きかけと研修所のご好意によって広く市民に公開され親しまれてきている。良く手入れされた庭園や、園内からの手賀沼の眺望が素晴らしい。普段は正面ゲートより本館の美しい前庭を垣間見ることが出来る。

すこし歩くと左へ小道がある。両側は研修所の園内である。小道を下りて行くと、鬱蒼とした高い立木が両側につづく。正面に新田と手賀沼が現れてくる。
下りきるとふれあいラインだ。右に行くとすぐハケの道に通ずる。そこをしばらく歩く。斜面林が美しい。水生植物園入口から藤棚をくぐると手賀沼遊歩道である。左へ遊歩道を歩いていきあやめ通りへ向かう、好きな散歩道の一つである。
 編集後記
昨年12月17日、景観法が施行された。
景観は国民の資産であると、国が位置付けた。自治体の景観条例の根拠となり、今まで以上の強制力があるという。昨年、市は古利根を市債を発行して手に入れたが、今の財政状態では、このような方法は、今後無理になってくるでしょう。景観法に期待するのは、期待しすぎでしょうか。(清水)

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