景観散歩・煉瓦の町「深谷」を訪ねて                  山田 一郎(三樹会)

2007年11月16日(金)、昨日よりも5℃も気温が低く、一枚厚着をの予報でしたが参加者皆さんの行いがものをいい、そして陽射しにも恵まれ絶好の散策日和。

当日は、景観を育てる会・三樹会・ゲストの総勢28名の楽しいバス旅行でした。

午前7時30分、我孫子駅北口ふれあい公園前を定刻で出発、一路「埼玉県深谷市」を目指し関越自動車道に乗り2時間少々で深谷市に入り国道17号線から東京駅を模したレンガ風のJR深谷駅を左に見ながら最初の目的地に到着した。

深谷は中山道に面した江戸より10番目の宿場町で戦災や震災に合わず、まだまだ古い家屋が残っている、人口は約15万人、上野より高崎線で1時間20分の地にある。

特に有名なのは、日本経済の基礎を築いた渋沢栄一(1840〜1931)の生誕地であり、日本で最初の機械式煉瓦工場が設立され、このレンガで東京駅・日本銀行・迎賓館など近代的な建築物が建造された。また、日本で始めての工場に勤める女性のための保育園が出来ている。

現在では、日本一の生産量を誇る「深谷ねぎ」と「煮ぼうとう」が有名である。

最初の見学場所の滝澤酒造で本日のご案内をいただく、NPO法人「深谷にぎわい工房」の松本理事長・柳瀬副理事長・洋菓子店経営の大沢さん・主婦の森さん・佐藤さんの案内で散策が始まる。

江戸時代創業の「滝澤酒造」は米を蒸し、麹造り、酒母やもろみの仕込など昔ながらの手造りで美味しいお酒が製造されている。現在は使われていないが40年前まで使用していた巨大なレンガ造りの煙突が戦時中の機銃の銃弾のあとも生々しく聳え立っている。

続いての散策は、近江商人の田中籐左衛門「七つ梅」の酒造元の廃屋、福島屋のコンニャク工場、いずれもレンガ造りの建物を見学する。

そして、「NPO(法)の拠点・深谷れんがホール」(1階はレンガ造り、2〜3階は木造のホール)で、郊外型の進出で市中心部の衰退化をいかに活性化するか、現状の深谷の苦労話をお聞きする。

昼食は、渋沢栄一翁も大好物の「煮ぼうとう」を「旅館きん藤」の熱々の鍋でいただき、食事後は、客席50席の市民に愛されている手作り「深谷シネマ」を見学して、JR深谷駅に向かう。途中、案内人の大沢さんが経営されているシエ・オーサワで本人考案の銘菓焼き菓子「深谷レンガ」をお土産に買い、翁ゆかりの“青い目の人形”に送られて、JR深谷駅前に着く。駅舎は高架型で外には翁のブロンズ坐像、構内には三代広重の開通時の様子が絵になっている。

そして最後の訪問地の渋沢栄一記念館(多目的ホールと資料館)と立像を見て、翁の喜寿を祝って建てた「誠之堂」、後継者の佐々木勇之助翁の古希を祝って建てた「清風亭」を見学。帰りには勿論、「深谷ねぎ」と「煮ぼうとう」を土産に買って帰る。

これで本日の「深谷」を訪ねてを終了し我孫子に無事戻る。世話役さんご苦労様でした。

■もどる