シリーズ まちの美化に取り組む人々(その6) | ||||
●現役中でしたので週2回、たばこ、ペットボトル、缶、プラスチック等々を集め、シルバー人材センターの人たちが回収し易いように、既存の15ヶ所のごみ箱に分別しました。2時間から2時間半ほどかかりました。 ●ところが、安全面から首都圏の駅等からごみ箱が撤去された同時期に、市は手賀沼にある15ヶ所のごみ箱を撤去しました。すると、水の館の周辺にある5ヶ所のごみ箱に集中して捨てられるようになりました。そのため3年後、県はこの5ヶ所のごみ箱を撤去しました。 ●しかし、ごみ拾いをやめるわけにはいきません。60歳になり定年退職をしてからは、毎日していました。 私は仕方なくごみを詰めたビニール袋を、水の館の今までごみ箱があった同じ場所に置いておくことにしました。が、その行為が県条例違反に当たるということで、水の館から通報され、現行犯逮捕されてしまいました。3年前のことです。これは、手賀沼のごみであり、雑草であると主張してもなかなかわかってもらえませんでした。 ●その後、警察と水の館の所長、私で話し合うことになりました。そのとき、警察がこれは逮捕すべき一件ではなく、表彰すべきことではないかと言い始めました。 さらに県、市の公園緑地課、水の館と私が集まる機会があり、私の提案で回収ポストが3ヶ所設けられました。 |
●県が測量をするということで沼の測量箇所をきれいにし始めたところ、40年前のコカコーラの赤い缶やビンが出てきたこともあります。また、タイヤについては36個出したところ、市から、タイヤを拾うのはやめてほしい、1個の処分に700円の費用がいるからと言われ、未だにタイヤ14個が手賀沼に埋まっているという事実もあります。 ●川の流れに乗って漂ってきたごみが溜まると、その箇所は植物も生えずはげ山のようになってしまいます。しかし、ごみを取り除き5年ほど経った頃から、はげ山にも葦が生えてきました。この葦には水をろ過する働きがあります。1年間で葦1本が2トンの水をろ過できるのではないかと、私は考えています。水中の窒素やリンの含有率で汚染度は決まります。しかし、植物である葦は、その窒素やリンを栄養素として育つのです。葦のろ過作用はおおいに期待しうるところです。 ●ごみ拾いを通じて、元最高裁長官ご夫妻とも出会いました。当初は、名前も住所も互いに名乗りあわないまま、一緒にごみ拾いをしつつ雑談しました。また、私のごみを拾う姿を見て、『ありがとうございます』とか、『私にも出来ますよね。明日からやってみます』と声を掛けてくれる人も現れるようになりました。そして、実際に、6号線の中央分離帯の清掃をしている人、犬を散歩させながらごみ拾いをしている人たちがいます。 ●行政に要求したり、ボランティアに任せたりするのではなく、まず、自分がしなくてはいけない、それが私の信念です。 この気持ちでこれからも毎日続けていきます。20のビニール袋が満杯になったら、1日のノルマは完了。このペースで続けていきます。」 ●このような趣旨のお話を、熱くあつく語ってくださいました。 心から頭の下がる思いで聴きました。 ありがとうございました。
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