春の景観散歩に参加して―井戸のまち城下町 久留里を歩こう―            飯田 俊二(会員)
5月23日(土)は好天気に恵まれ、会員ほか総勢31名、福祉バスで午前8時に我孫子駅北口を出発。我孫子から約2時間半、10時半ごろ久留里駅前に到着。久留里は人口約4千人の小さな町ですが、昔は交通の要衝として栄えたようです。今は人口が減少して、静かな駅前です。

そこには当日のお世話をして下さったNPO法人「久留里フィールドミュージアム」の坂本さんにお出迎えいただき、早速、「くるりボランティアガイドの会」の斎藤さんの案内で久留里の街中を散策しました。正源寺、新井白石生家跡、自噴井戸をめぐりましたが、久留里は「平成名水100選 城と生きた水の里」と言われており、久留里周辺には188本の自噴井戸が確認されているそうです。街道沿いの自噴井戸(深さ約500m)から湧き出る水を柄杓で飲みましたが、まろやかな味のおいしい水でした。この水を利用した造り酒屋が5軒、また名水と極上大豆から生まれた評判の豆腐屋さんも昔から商っているようです。

その後バスで移動し、久留里城に向かいました。駐車場から山の上にある久留里城までの標高差は約100メートルあり、急な坂道を杖を突いて登りました。結構きつい坂です。やがて久留里の街並み、小櫃川、水田を見下ろす良い景色が見えてきました。しばしそこで休息。疲れが癒されました。さらに天守閣を目指して重い足を進め上り詰めました。

久留里城からの360度の景観は房総の山々が連なり、千葉県の新たな再発見でした。貴重な自然景観、これを大切にしていって欲しいと願うばかりです。
水と自然に恵まれた久留里はいいところです。この特性を生かしたまちづくりが進められることを期待するとともに、都市化の進む我孫子での特性は何かをよく考えてみたいと思いました。

久留里城資料館で上総掘りについてその装置の前で説明をうけました。なぜ房総のへそと言われる久留里で自噴井戸があるのか、と思っていたのですが、地下水が丁度久留里の下に溜るような地質構造になっており、上総掘りにより掘っていくと地下水があふれ出てくるということで納得しました。しかし、竹を利用したあの装置で、400〜500mの深さまでよくぞ掘ったものだと、その技術と根気に感銘しました。

昼食は古民家でのくるり膳。この膳のボリュームとおいしさに堪能しました。また、吉崎酒造酒蔵を訪ね試飲させていただき、よい井戸水を使ったおいしいお酒に感激。また、きみつ豆腐にも皆さん関心高く、これは絶品との評判でした。

「久留里フィールドミュージアム」坂本代表からは、「街道沿いの古民家をどうやってまちづくりに活かしていくか」という課題に取り組んでいるお話もうかがえて有意義でした。その活動拠点の「旧河内屋」を、登録有形文化財に登録するよう、国の文化審議会が文科省に答申しています。頑張ってください。
楽しく気持ちのよい景観散策でした。久留里の関係者の方、並びに幹事の皆さん有難うございました。

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