100号を迎えて 〜景観あびこ〜 吉澤 淳一（会員） 
●「庭園の四季」は、我孫子市指定文化財になっている、二つの施設の庭を紹介したものである。杉村楚人冠記念館邸園と旧村川別荘の、四季折々変化する庭園景観を、多くの人々に鑑賞してもらうために企画した。66号から77号にかけて春夏秋冬8回に分けて連載した。
●「文学作品の中の景観」は、58号、59号、61号、69号の4回でその先が続かなかった。4回とも素晴らしい内容だっただけに残念である。文学作品を改めて読んだり記憶を辿ったりするのが、どうも敬遠されてしまったようだ。自分も何か書かねばと思いつつ…。
●「三樹会だより」というのもあった。平成16年、会は三樹荘とその近辺を清掃するボランティアグループを立ち上げた。詳しくはいずれ書くとして、翌年会員からの一言を掲載する「三樹会だより」が始まった。17号から26号まで続いたが連載はここまでで、その後は断続的に記事が登場している。
●「私の好きな我孫子の道」足助哲郎さん(故人)の発案で、33号から48号まで続いた。どんな道を選んだか興味があるので記してみた。
・新木野・古戸のハケの道とみどり台下のハケの道
・つくし野 ・根戸森の道 ・やすらぎの道
・くすのき通り ・台田２丁目杉並木から船戸の森
・中里通り ・古利根 ・芝原城址
・滝前橋通り道（東我孫子、滝不動から滝前橋経由日立研修所、桃山公園）
・取手市長禅寺を経ての坂道（番外：取手の坂道愛好会とのコラボ)
・志賀直哉著：「11月３日午後の事」の道（1小、3小）
・志賀直哉著：「雪の遠足」の道（並木小）
※その頃、景観シンポジウムで学校花壇を取り上げたので、以降はPART�供岾惺参崔邸Τ悗喙砲悗瞭察廚両匆陲砲覆辰拭�
・四小、白山中、根戸小、久寺家中
・高野山小、我孫子中、二小
・湖北小、湖北中、湖北台東小、湖北台中、
湖北台西小
・新木小、布佐南小、布佐小、布佐中
●「まちの美化に取り組む人々」、「旅先の1枚」「あんなことこんなこと」「私の八景歩き」の連載は尚続いている。
●最近提案された「我孫子の並木道」はまだ掲載が始まっていない。通りを活き活きと輝かせ、通る人に癒しを与える街路樹の大切さは誰もが等しく認めるところである。オオバン通りの街路樹植栽を訴えている私たちにとって、今市内にある34の並木道を考察することの優先順位は高いものと考えるが如何？
●合本版は、既発行の1、2、3に続いて、つい最近4冊目（第61号〜80号）が作られた。索引が丁寧に作られていて、この回顧録の執筆にあたっては随分とお世話になったものである。
当会ホームページの17年 森 大吾 （特別会員）●当会のホームページは、2003年10月に開設した。
まだ私は会員ではなかったこのとき、会が「手づくり散歩市」というイベントで、白山町内に出店していたところへ、散歩がてら訪れた。景観を育てるというテーマに私も共感したので、活動を広めるためにホームページも使ったらどうですか、よかったら私が制作してあげますよ、と申し出たのが始まりだ。
●私がその日にとりあえず作ったサイトの表紙を見て、会の皆さんが持ち帰って検討したが、まだ市民活動でWEBサイトを持つのは珍しい時代、「本当にタダでやってもらえるなんて話があるのか」「制作費がかかりますと、あとで言われないか」などの心配もあったようだが、ともあれこの出会いがもとで、以来17年、当会のホームページを担当してきた。
●県外ともつながるWEBの効果
●WEBサイトは地域に配布する紙の媒体と異なり、全国から見られるし、検索もできる。「景観を守る 育てる」を検索サイトに入れれば、我孫子の地名など含めなくとも、100万件以上ヒットする中で、当会HPや当会を紹介している我孫子市のサイトがトップに表示される。
●こうしたWEBで当会の活動内容を知った、さいたま市浦和区から職員と区民会議メンバー約20名が来訪されて、景観をまちづくりの一環として考える意見交換を行ったことがある。つくば市の市民団体からの依頼を受けて、当会会長の吉澤さん(当時)が出向いて講演をしたこともあった。WEBが出会い・交流を作る大きなメリットだ。
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| 三樹荘の3本の巨樹。ホームページ開設まもなくに取材 (2003年11月) |
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| さいたま市からの来訪に当会の取り組みを説明 (2007年11月) |
●コンテンツ制作は会員全体の力
●当会は「いろいろ八景」の選定を始め、行政との協働がよくできている会であり、観桜会や庭園公開イベントなどで、新聞に取り上げられることも多い。これらは幹事メンバーの努力だけでできるものでなく、会員全体の力や実績があってこそ、外部から評価されるものだ。
●会報紙が100号を迎えることができたのは、多くの部会がいろいろな活動を自由に行って、記事にする材料が積み上げられているからだ。私が担当するホームページにしても、記事を自分で取材していたら、とても続かない。会報や記事の原稿が絶え間なく出てくるから、私の作業はそれらをWEBに載せるだけで済む。
●ホームページが信用のツールに
●今はツイッターやブログ、インスタグラムなど、個人が簡単に情報発信できる時代だが、ビジネス社会と同じく、組織の基本情報を調べる最もフォーマルな媒体はホームページだ。
●会員みなさんからの積極的な投稿が会報を継続させているから、当会のホームページには膨大な数の見出しが並んでいる。それがこの会の社会的な注目度や信用を高めるシナジー(相乗)効果にもなるといえる。
●ただしそのために「会のためにがんばらなくては」の義務感や責任感でなく、「できる範囲で楽しく」を合言葉に、会員みんながゆとりをもって楽しく活動し、その結果が会報紙の継続につながっていけばよいと思う。
