発行人 吉澤淳一
我孫子市つくし野6-3-7
編集人 飯田俊二
| 我孫子の景観を育てる会 | |
第51号 2012.9.15発行 発行人 吉澤淳一 我孫子市つくし野6-3-7 編集人 飯田俊二 |
 シリーズ「我孫子らしさ」(27) 〜「我孫子らしさ」とは〜 清家 芳光（会員）―阻害しているものが除去、または改善された彼方にあるもの― |
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| ●「我孫子らしさ」とは、表題趣旨を多少はみ出すことを前提の記述をお許しください。 ●今思い浮かぶ現実の我孫子らしさを強いて挙げれば、台地を囲む斜面林、その縁を囲むハケの道、概ね平坦な台地に点在する森林、林、水田、畑、そして旧道沿いの旧農家、蔵を抱える古民家、防風林の中の旧農家、そして象徴となるまどろみ水温み四季折々の顔を顕す手賀沼湖畔、新緑、晩秋の手賀沼遊歩道等が挙げられる。遊歩道終点付近の湖畔に佇むと穏やかな風、微かな車の音の他「何もなくゆったりとした時間の止まった静寂につつまれた空間」に浸ることができる。この「何もなくゆったりとした時間の止まった静寂につつまれた空間」に象徴される風景が我孫子全域の風景の特徴であり、現実の我孫子らしさでもあろう。 ●しかし残念ではあるがこれらの風景をよく見てみれば、その中の所々に混在し、それら風景の特徴を曇らせ阻害しているものが存在していることが解る。そういう意味から、私は頂いた表題の「我孫子らしさ」を、それら風景の特徴を曇らせ「阻害しているものが除去、または改善された彼方にあるもの」として捉えたい。それではその阻害するものとは何か。 ●それは、手入れ放棄で歩行を遮る樹木、周辺風景との調和を無視し目立つことのみを図って作られた看板、必要以上お節介過剰の交通標識、機能分けの工夫のない歩行者自転車の利用者を配慮しない単なる車優先だけの道路、無機質アスファルト舗装、放置廃屋、放置空き家、放置空き地、放置竹林、放置斜面林、地域の在来工法の工夫特徴もなく狭小敷地に建つ無機質戸建て、電柱、電線、送電線、さらには「楚人冠のメッセージ」（百年後の手賀沼）掲載の「みんなでおよいだり、水遊びができるようになっているといいな」「コウノトリやホタルが帰ってくる」「スズキやギンブナなどの魚が見られ、うなぎやエビ漁ができる」等記述のごとく本来の姿に程遠く、また新たに発生した放射能汚染下の手賀沼が挙げられよう。 |
●私は現実の我孫子の風景の特徴と考える「何もなくゆったりと時間の止まった静寂につつまれた空間」に象徴される風景に磨きを加え、より一層際立たせることにより、本当の「我孫子らしさ」としての風景が現実のものになると考える。現実の風景に磨きを加えるとは、一般的には、人が快適に住めるようにするための目的で行う丁寧な改良行為であると考えるが、一歩踏み込んで具体的に述べれば、それはまずは「我孫子らしさ」を阻害する現実の我孫子の風景に混在する阻害部分を除去、または改善する行為であると考える。その時、現実の我孫子らしさが本当の「我孫子らしさ」に変化するものと考える。 ●以上、私にとっての「我孫子らしさ」とは現実の我孫子の風景に混在する阻害部分の除去、または改善を通して実現され、「何もなくゆったりとした時間の止まった静寂につつまれた空間」により一層の輝きのかかった空間、風景と捉える。
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