我孫子の景観を育てる会 景観あびこ_title 第58号 2013.11.16発行
編集・発行人 吉澤淳一
我孫子市つくし野6-3-7
シリーズ「我孫子らしさ」(34)                                                           齋藤 祥子(会員)
            私の再生のまち 我孫子
朝の散歩コースは、その季節の雲・風・気温等で手賀沼・利根川・街並など、マンションの自宅7階から階段を下りながら決まります。

                ・秋
あちらこちらから金木犀の香りが、秋の到来を知らせてくれ、烏瓜、柿、ツタ、カエデが緑葉樹を背景に目にとまります。そして道端のコスモス、ススキ、ホトトギスなどの野の草を摘みとります。一輪の野の花に一日が癒されます。


                      ・冬
15階から雪を頂いた富士の山を見、北には筑波山が凛として聳えています。
遊歩道からの手賀沼はきらきらと光り冬の渡り鳥たちが泳いでいます。
 「椿が咲きだしましたよ」杉村楚人冠記念館に勤める友人からのお知らせです。

           ・春
コーヒーブレークをテラスで。
 "春は ようよう 白くなりゆく山ぎわ 少し明かりて 紫だちたる 雲のたなびきたる・・・"

  そして春をさがしに出かけます。
 白山西公園の前の菜の花畑と手賀沼と沼南の里山をベンチに座り眺めていると、語り尽くせない幸福感に浸るのです。白バナタンポポ、ハンカチの木、センダンの紫色の小さな花、どれも我孫子に来てゆっくり見た花たちです。

「山椒バラが、そろそろ咲くわよ!!」友人から杉村楚人冠記念館の花の知らせが入ります。
          ・夏
烏瓜の花をさがして朝の散歩です。テラスの緑のカーテン(アサガオ、ルコーソー、ゴーヤ)が酷暑の長い夏をどれほど救ってくれたでしょうか。ここでゴーヤのジュースを飲みながら朝焼けの空を眺めて。

45年住み慣れた大都市横浜から、離婚を機に我孫子へ移り住んだのは9年前、柏の不動産屋さんに"駅近で、散歩コースに野草のある所"とお願いしますと、我孫子を薦めてくれたので右も左も地名さえ知らずの、一人の生活の始まりです。すでに二人の娘たちは独立し・・・さて、どのように生きようかと考えました。

まずはけやきの10階に行き、ボランティア(食事作り)をみつけ、民生委員、我孫子の景観を育てる会への参加につながりました。

『我孫子を知りたい』の強い想いです。
 今、東西20km、南北4km、人口13万余の人の見える、行政のわかるこのまちが大好きになりました。

亡き母(35年前没)が、父に「我孫子に住みたい」と言っていたという話を最近聞き驚き、母に導かれてこの地に誘われた気がしてなりません。

横浜は私を育ててくれ、我孫子で少しでも皆さまと共に笑っていたいと思います。友人・知人のすべての方々に心からの"ありがとう"を言います。

"小さくても、自分らしい花であればそれでいい"

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