第22回 景観散歩 =桜川市真壁= 11月28日(土) 矢野 朝水(会員) | ||||
●山歩きばかりでなく、町歩きも天候が左右する。雨の町歩きは参加しなければよかったと後悔するだろう。今回の真壁景観散歩は好天気に恵まれた。この日を選んだ幹事さんに感謝。 8:30我孫子駅北口をバスで出発。参加者38名。10:30真壁到着。3班に分かれ、ボランティアさんの案内で景観散歩スタート。 ●何故、真壁に歴史的建造物が多数残っているのか。真壁の歴史にとって転機になったのは、真壁藩が関が原の戦いで西軍についたため、秋田県角館へ転封されたこと。武士の一部は真壁に残って商人になり、木綿を大坂で仕入れ、東北地方からも買い付けに来たという。真壁は木綿の商いで大いに栄え、常陸の商業の中心地となった。その伝統を引き継ぎ、明治、大正時代も栄え、今日に残る歴史的建造物が建設されたのである。 ●町内の歴史的建造物十数軒を順次見学する。町割は江戸時代のままでT字路も多い。若い人がいなくなり、人通りがなく、車も少ない。時が止まったような町だ。シャッターが降りた店舗も多い。東日本大震災で歴史的建造物も大きな被害 を受けた。復旧が進んだが、工事中のものも散見される。 ●歴史的建造物は、乾物、呉服、油などの商家だったところで白壁の倉を備える。天井、柱などに往時の繁栄の痕跡がみられる。高麗門、長屋門、薬医門なども残る。多くの家は人が住んでおられ、快く迎えていただく。「観光客が家の中に入って迷惑ではないか、メリットがあるのか」問うたところ、「メリットはない、『おもてなし』だ、ただ、住むには不便で寒い」という。 |
●真壁に多くの歴史的建造物が残され、観光客が訪れるのは、このような建物の持ち主の外の人を快く受け入れる『おもてなし』の心だろう。深謝!深謝! ●お昼は「伊勢屋旅館」(文化財)で炊き込みご飯、けんちん汁、こんにゃくの田楽などをいただく。素朴で美味。「甘酒」も女性に好評。 ●平安末から戦国時代にかけて真壁氏の居城だった「真壁城址」を見学。土塁や堀跡などが残る。城跡を発掘中で、休日にもかかわらず桜川市の学芸員の方が我々を出迎えられ、説明していただいた。常陸三山(筑波山、足尾山、加波山)を借景に広大な庭園があったという。真壁氏が角館に移転する時には綺麗に後始末した。「立つ鳥跡を濁さず」。かくありたいものだ。 ●板東観音霊場24番札所「雨引き観音楽法寺」を拝観。安産、子育てに霊験あり。参加者は年齢からみて手遅れだが、子や孫のために祈願されたのではなかろうか。好天に恵まれ関東平野を一望できた。 17:00過ぎ全員無事我孫子着。真壁の皆さん、ありがとうございました。幹事の皆さんに感謝。 ※今回は、第1回(2005年)に訪れた当時の真壁町を再訪しました。参加者の大半は初めての訪問で、第1回参加者にとっても、新鮮な出会いだったようです。(幹事) ■2005年訪問の記録 |
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シリーズ 庭園の四季 −4− 旧村川別荘庭園の冬 佐久間 俊行(旧村川別荘市民ガイド) |
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●冬が訪れると葉を落とした落葉樹と、緑の葉をつけた常緑樹が入り交じり、趣のある景観を見せます。初冬の12月6日にここを訪れると、紅葉(黄葉)が真っ盛りで、その美しさに目を奪われました。 ●落葉前の12月に紅葉したものは、ハゼノキ、ヌルデ、イロハモミジ、ツタなどで黄色に色づいたものは、イチョウ、アカメガシワ、ムクノキ、エノキ、エゴノキ、ヤマグワ、サンショウなどでした。 ●裏庭で黄色に色づいたイチョウはまだ幼木ですので、落葉が与謝野晶子の歌にある「金色のちひさき鳥のかたちして 銀杏ちるなり岡の夕日に」といった目を見張る光景はまだ見られません。落葉したケヤキを下から見上げると、繊細な梢が優美な線を大空に描いています。12月に見られる花はヤツデ、ツバキ、サザンカ、スイセンなどです。ヤツデは白い花を開き、花の蜜でハエやアブなどの昆虫を誘って受粉の仲立ちをしてもらいます。 ●ツバキは12月から開花が始まり、1月、2月は花盛りです。ツバキは園芸品種が多く、ここでも赤、白、しぼりの花を見ることができます。また果実も色づき、ナンテン、マンリョウ、ヤブコウジ、センリョウは赤く熟し、ムラサキシキブやコムラサキは紫色に染まってその美を競います。 |
●神事に使うヒサカキの果実は黒色ですが、つぶすと紫色の汁が出ます。色づいた果実はやがて野鳥に食べられ、1月の末には残り少なくなります。落葉後のハゼノキの高い梢に、ヒヨドリやムクドリが訪れて垂れ下がった果実をついばむのも冬の風物詩です。 ※写真提供:矢野正男さん(旧村川別荘市民ガイド) |
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