オペラ舞台の風景     冨樫 道廣(会員)
9月9日の日曜日、これが最後のオペラだぞとお互いに言い合って、女房と二人で4年ぶりに来日したローマオペラの初日の公演を上野文化会館に見物に出かけたものでした。

最近では、三大テノールも分解してしまって、ソプラノのグルベロゥヴァもこれが最後とばかり言っている今日この頃、今の歌い手や役者などつゆ知らず、何の予備知識なしの素手で出かけたものです。

ところが、行ってみて、超満員の会場と、豪華絢爛な舞台に圧倒され、初めて出会った歌い手たちの新鮮なリズムと豊かな声量、またその動きに感服してしまったのです。

出しものはヴェルディの「椿姫」。筋は、高級娼婦のヴィオレッタに、金持ち息子のアルフレードが恋に落ち、郊外の別荘で暮らし始めたところを父親に見つかり、引きさかれ、アルフレードはバクチびたり。一方のヴィオレッタは結核が悪化して死んでしまうという簡単なものですが、ヴェルディ特有のアクセント豊かなアリアが随所にちりばめられていて面白い芝居なのです。

特筆したいのは、第二幕の第一場です。二人が暮らしはじめた別荘の一室、何の変てつもない部屋ですが、正面が天井まで一面ガラス張りで外の景色が見事なのです。右には本ものそっくりのカシの大木。その前にまた大きなヒマラヤスギ。その周りは一面エメラルドグリーンで塗ったような牧草地帯になっていました。奥の左右に所々に濃い緑のヴィリジアンで形どられた森が見えます。更にその向こうに薄いプルシャンブルーの小高い丘が並んでいるという美しい風景でした。それより驚いたことは、半分以上の空間は青い空で、そこを左から右に雲がなびき動いているのです。これまで、舞台で雲が動くのを見たことはありませんでした。この第二幕の第一場、40分間、次から次へ、新しい違った形の雲が流れてくるのです。その間、父親役の大男のバリトンのアンブロージョ・マエストリが、これまで耳にしたこともない、大声量の美声で、「プロヴァンスの海と陸」を朗朗と唄って息子を諭すシーンは正に圧巻で、この舞台の華になったと思いました。
このバリトンはめっけものでしたが、第一幕から主役で舞台を一人じめしたのが、高級娼婦役のヴィオレッタに抜擢されたフランチェスカ・ドットという28歳。オペラの舞台に立ってまだ 6 年目というのに、その貫禄は十分すぎるぐらい。冒頭の宴会の場では、幕が上がると、しつらえた豪華な階段を、黒いドレスのスソをなびかせながら下りてくる。そして有名な「乾杯の歌」のデュエットでは誰も寄せつけず、美事なコロラトゥーラ。

またそのあとはメゾに変えるあたりはただ者ではない。そして第三幕のフィナーレ、息を引き取るシーンのピアニシモは完璧、納得でした。

何せ,AIの時代、オペラの舞台風景もいい意味に変化すればと思いました。

舞台の 1 場面(筆者作)
旅先の1枚 -13- まちなみ保存はあたりまえ? 近江八幡の交番    
                                                         鈴木 洋子(会員)
5月下旬、滋賀県の大津、近江八幡、彦根への旅行中、景観にマッチした近江八幡の“KOBAN”が目を引いた。

他にも銀行、新聞販売店、ポストなどいろいろあり、やはり人気の観光地だと思った。といってもこういう工夫は、最近の観光地では案外珍しくない光景になってきている。

我孫子市は“観光地”とは言えないまでも、市外から人を呼ぶ地道な努力が必要では・・・と思った。
編 集 後 記
  今年は、我孫子市で千葉県の景観に関する2つのイベントが開催された。7月の「認定景観づくり地域活動団体意見交換会」(■87号参照)と、10月の「景観セミナー&千葉県屋外広告物タウンミーティング In ABIKO」(今号掲載)である。どちらも「我孫子のいろいろ八景歩き」がイベントの核になっていて、当該事業の活動が県レベルでも注目されていることが窺えた。県内各地からの参加者に我孫子の景観に直に触れてもらい、意見交換、情報交換できたことは大きな収穫であった。(吉澤 淳一)
我孫子の景観を育てる会のホームページアドレスが変わりました
2003年のホームページ開設以来15年間、Yahooジオシティーズのお世話になってきましたが、サービスが2019年3月で終了するということで、10月14日にこちらのURLに引っ越しをしました。
GMOのグループ企業が提供する、無料のホームページサービスなのですが、広告が表示されず、しかも容量もだいぶアップしたので、ありがたいことです。
リンクをしていただいているサイト様は、変更をお願いします。

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