我孫子の景観を育てる会 景観あびこ_title 第93号 2019.9.21発行
創刊 2002.3.29
編集・発行人 中塚和枝
我孫子市緑2-1-8
Tel 04-7182-7272
編集人 鈴木洋子
〜前会長吉澤淳一さんの、当会18年間を振り返った回顧録を連載します〜
回顧録1                   吉澤 淳一(会員)
平成13年(2001年) 6月16日に産声を上げた「我孫子の景観を育てる会」は、本年6月をもって満18歳になった。初代会長は佐多英昭さん(故人)で、私は平成15年から16年間、会長として仲間たちと共に会の運営にあたってきた。そして令和の時代の幕開けと共に、会は中塚和枝さんという素晴らしいリーダーを戴いたのである。会の新しいページが開かれる予感がする。その節目に当たり、頭の中の走馬灯を整理して、18年間を振り返ってみようと思う。
(これは記録ではなく、読み物として読んでいただきたい。)
1 草創期

(1)会発足前後
会設立の契機は、平成12年(2000年)に開催された我孫子市主催の「景観づくり市民講座」(下の写真)だった。



受講生の数とか講座の内容について詳しくは記憶していないが、座学とハケの道の観察だったように思う。講座の終了に伴い、市の方から「折角学んできたのだから、我孫子の景観に関するグループを立ち上げたらいかがか」と持ち掛けられ、講座生の何割かは忘れたが21人の有志が会を立ち上げた。記録によると市から年5万円の補助金を3年間受けている。そして市の景観条例による市民団体に認定されている。今思えば、スタートは多分に官製の匂いがしているが、こういう機会があって今日の会があったのだと思う。(会はその後平成20年に千葉県からも景観づくり地域活動認定団体に指定された。)

役員が決まり佐多英昭さんが初代会長になった。佐多さんは以前から市の事業である「景観カルテ」(平成9年)に携わっていて、多分その関係から立ち上げのまとめ役をしていたのだと思う。

次は会の名称である。我孫子の景観を「守る」か「育てる」かで随分もめた。手賀沼をはじめとする我孫子の今の景観を大切にすることを標榜する「守る」が良い。市内には先輩格の団体「我孫子の文化を守る会」があるのでそこに倣ったらどうか。いや我孫子には守るべき文化が沢山あるので彼らはそうしているが、景観は守りと同時に未来志向も大事である、云云かんぬん。結局「育てる」に落ち着いた。勿論私たちの力だけで景観を守り育てるのではなくて、市民の方々に景観の大切さを思ってもらう心を育てたい、という気持ちも含まれている。後年何人かの会員から、「守る」であったら入会していなかったと聞き、名称の大切さをあらためて感じた。

さあこれで会の体裁は整ったが同床異夢の集まりなので、会合では侃々諤々言いたい放題、一会員の私も好き勝手なことを言っていたかと思うと汗顔の至りである。しかし、そこは多士済々のメンバーの集まりで立ち直りは早かった。
丁度その頃、市の事業に「手賀沼景観形成重点地区市民会議」(ハケ・ふれ21)というのがあって、どうもそこにうまく誘導された感はあるが、これに参画している過程で会員相互の理解や交流が活発になったのは幸いだった。こういう混沌から、我々は一歩を踏み出したのである。






(2)早くも部会が発足
会設立の年にいくつかの部会ができた。一人一人何かやりたいこと、考えてみたいことがあるに違いない、ということで部会が誕生した。それぞれが手を挙げて、次に述べる部会が続々と設立され、これが会の活動の原動力となった。

【広報部会】
広報部会は「景観あびこ」の発行、会のPR、メディア対応、ホームページの運営管理(途中から)を担当してきた。平成14年3月には早くも「景観あびこ」を発行するまでに至った。

「景観あびこ」は、会の顔として積極的に情報発信を続け、今日に至っている。一方、新聞・テレビ等へタイムリーなニュース提供を積極的に行った結果、メディア露出の多さは市民活動団体随一と言っても過言ではないほどになった。イベントの告知は毎回大きく取り上げられ、会の存在と共に市民の認知・理解・好意度が高まり、参加者増につながるとともに会員の励みにもなってきた。

平成15年10月には、ホームぺージを開設した。きっかけは、その年の「手づくり散歩市」で、白山の街角に小さなブースを出して庭園公開の告知をしていたら、自らのホームページのコンテンツ取材中の森大吾さん(現・特別会員)の目に留まったもの。森さんはこの時初めて会の事を知り、活動に共鳴し、そしてホームページを持っていないことも知り、開設を引き受けてくれたものだった。大きな出会いだった。爾来16年、森さんのセンスの良い編集で、今では「景観あびこ」と共に会PRの2本柱になっている。県内外から講演や見学依頼が来るようになったのも、このおかげである。
■P2へ続く
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