吉澤 淳一(会員)
【オープンガーデンとの出会い】
オープンガーデンというものを意識しだしたのは、何時のことだったろうか。手元の古い資料にNGS(The National Gardens Scheme)ジャパンのホームページのプリントが残っている。英国のNGSの日本支部の資料だ。プリントには2004年(平成16年)と印字されている。当時、インターネットで調べてみると、全国で約50のオープンガーデンの活動団体がある事がわかった。その中で、仙台市の「オープンガーデンみやぎ」を、見学の対象にした。交通の便が良く、組織がしっかりしていて事例も豊富なのと、「庭から街並みへ」という明快なコンセプトが気に入って選んだ。県と市の支援事業「市民活動元気づくり事業」の補助金(95号 回顧録4参照)が使えるので、平成16年の秋に総勢6人が1泊2日で出かけた。私たちが初めてオープンガーデンに接した記念すべき訪問であった。

市内に50軒ある内、5軒のお宅と高級住宅地・泉パークタウンのまちなみを見学した。本文8ページ、写真6ページの詳細な報告書を作った。ここで特筆すべきは、公開庭園が市内広域に広がっているので、参加者の便宜のためにバスツアー(有料)を催したことだった。バラの時期を中心に6年間で9回実施したが、我々の訪問時には中止していた。この催しは参加者には良いのだが、庭のオーナーさんには不評だったらしい。滞在時間は1軒20分ぐらいなので、ワーッと来てワーッと引き上げる感じで、朝から紅茶やクッキーを用意して、じっくりと庭の案内をしようと思っても、なかなかそうは行かなかったらしい。考えさせられる話だった。

・お薦めしたい、流山オープンガーデン
流山市には、ながれやまガーデニングクラブがある。流山市公園緑地課の支援で「花恋人」(カレント)というオープンガーデンブックを発行している。(下の写真)最初に訪れたのは平成18年で、会員4人で見学した(景観あびこ19号)。その後に会にオープンガーデンを楽しむ会が発足した。平成20年にも会員5人で再訪した。景観あびこ28号に載った滝日一子さん(元会員)の見聞記が素晴らしい。40数件の内訪れた庭は数軒だったがホスピタリティを含めて、どこも素晴らしかった。印象に残ったのは、南流山弐番街というマンションの住民有志が、四季を通じて周囲を花と緑で飾っていることであった。当市のシティアグリーンクラブの活動と似ている。


*オープンガーデンは、大体どこでも一斉公開日があり流山も例外ではないが、私たちの場合は公開日以外に受入可のところを紹介してもらった。
・湖北台ミニガーデン
オープンガーデンは戸建ての広い庭の独壇場ではない。平成19年のある日のこと、柏原健子さんに誘われて会員9人で湖北台ミニガーデンツアーを楽しんだ。

ここでは柏原さんを中心に、集合住宅の北側にいくつかのミニガーデンを作り、住民の方々が楽しんでいた。建物の北側なのに、適した草花をみつけて見事に育てている。ツアーの途中で、柏原さんが淹れてくれた美味しいコーヒーは今でも忘れられない。(景観あびこ23号)

・エトセトラ
皆でいろいろ行きました。市内では、NEC四つ池巡り、川村女子大ビオトープ、柴崎の大原邸(景観賞)、中峠のイングリッシュガーデン、つくし野西自治会お庭拝見ツアー、並木のバラガーデン、沖田家(元会員)のカトレア鑑賞、市外では、八日市場市の平山邸、柏市増尾の茶寮洛山、常総市とつくば市のバラ園、坂戸市のオープンガーデン、越谷市のストリートガーデンなど。
つくし野のバラの庭

坂戸市では、訪れた各庭で白いレース状の茎の長い花が目についた。訊くと「オルレア」という花で、種が沢山採れるので市内各家で咲かせている。あるお宅でプランターごと幾つかいただいたので、柏原さんと寺尾多津枝さんが持ち帰り育てることにした。数年後何株か我が家に届いたので、庭で育てて大量の種を採り会員にもらっていただいた。坂戸市と我孫子市を「オルレア」が結んだご縁である。
筆者の家の庭に咲くオルレア
(■P5へつづく)
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