『我孫子特有の「崖線空間」に対する市民の「働きかけ」について』
東京大学大学院工学系研究科都市工学専攻 都市デザイン研究室修士2年  松本大知
■P1からのつづき

  研究の結論では、各々異なる手法で地域の貴重な自然環境に「働きかけ」を行う主体の皆さんが「働きかけ」を継続し、さらにその「輪」を広げ、地域で豊かな自然環境を守り続けていくためには条例などの施策を展開する市や敷地所有者と実際に「働きかけ」を行う市民の連携が必要であると考えました。行政によるサポートを上手く活用し、市民や企業・敷地所有者間の情報交換や取組みの共有、人材の発掘などをよりスムーズに行うための連携に向けた1つのモデルを提示しました(図3)。
  もちろんいきなりこのような体制を整えることは難しいでしょう。今後、行政・敷地所有者・市民が我孫子の「崖線空間」という歴史・文化としても、自然環境としても重要な空間の継承に関するビジョンを共有し、議論する場を設けるなど、モデルで示したような連携に向けて、1歩ずつ進んでいくことが出来れば、今後働き方や住まい方が変わる成熟期の郊外住宅地としての我孫子のより良い街づくりに繋がるのではないでしょうか。

下の図版は解像度が低いので、■こちらのPDFを拡大してごらんいただくことができます。
図2 旧武者小路実篤邸における「働きかけ」の様相
図3 「崖線空間」の包括的なマネジメントモデルの提示
筆者の紹介・・・「手賀沼フイッシングセンター」で東京大学都市デザイン研究室が参加する『手賀沼ヌマベリング』に関わる中、度々手賀沼を訪れていたことが「我孫子の斜面林」に関心を持つきっかけだそうです。当会を三協フロンテア(株)顧問石黒博氏より紹介され修士論文にとりあげ、そのご縁で当紙に寄稿していただくことになりました。
■もどる