あびバス景観散策マップ  吉澤 淳一(会員)
 【あびバスに乗ろう】
このマップ作りは瀧澤さん(元会員、三樹会員)の提案で始まった。
あびバスは、民間の路線バスが走らない地域の生活の足として、市の経営で運行している。ルート周辺には、緑豊かな自然や隠れた名所、珍しい風景が沢山ある。これらを掘り起こして、散策マップにしたらどうだろうか。あびバスに乗って、その先はマップを片手に歩こうという訳である。勿論、乗客を増やして運賃収入増も目指している。瀧澤さんを中心にプロジェクトチームが出来た。平成25年の事である。

手始めに、「船戸・台田ルート編」の2つのコースに取り組んだ(コース紹介はマップ参照)。何度も何度もあびバスに乗っては歩く。紹介する場所を決め、そこを縫うコースを決め、写真を撮り、説明文を作る。根気の入る作業である。チームで議論して構成が決まっていく。PCでのマップ制作は瀧澤さんにお願いする。その年の秋には、テスト版をPCのプリンターで出力した。A3、4つ折り両面フルカラーでなかなかの出来映えである。

素晴らしい試作品が出来たが、これを印刷する費用が会にはない。モノクロなら何とかなるが、フルカラーの試作品を見てしまうと、どうせ作るのならやはり・・・ということになる。このマップの目的は、あびバスの乗客増をも目論んでいるのだから、マップの発行について市に提案してみようということになった。私たちの作業は全くのボランティアで、原稿制作に至る諸費用は全て会の自腹、勿論手当などは出していないことは言うまでもない。

提案の結果、市の事業として会との協働でマップが作られることになった。景観推進室が担当となり、平成26年3月、「企画・編集 我孫子の景観を育てる会」と明記された「船戸・台田ルート編」のマップが発行の運びとなった。
4コースのMAP
 
景観推進室では、このマップは景観形成市民啓発の観点からも、重要な情報発信であると判断し、27年度以降に、残りの全ルートもマップ化することを決めた。折しも「我孫子のいろいろ八景事業」が始まっていたが、併行して進めていった。情報的に相乗りできた部分もあり若干の調整はあったが、上手く着地できた。平成27年1月にPART2「栄・泉・並木ルート編」、8月には「新木ルート編」、平成29年11月には布施ルート・根戸ルート編」を発行し、全ルートの完成を見た。(左下写真)運行ルートの変更などもあって苦労したが、チームの頑張りで成し遂げられた。各PART統一された表紙は、景観推進室(当時)小澤さんの協力によるもので、手に取ってみたくなるようなメルヘンチックなデザインである。マップは4巻で約15,000部印刷され、市役所やアビシルベに置かれた。メディアにも発行の都度取り上げられ、話題になった。

平成27年の「市民のチカラまつり」では、会が「あびバス景観散策会」を実施した。① 船戸・台田ルート編"根戸新田・船戸・白山コース(写真)、
ガイドの案内であびバスに乗って出発!

② 新木ルート編"日秀・中里コース、③ 栄・泉・並木ルート編"柴崎・天王台コース、バスのキャパシティから各10人前後の参加者で好評だった。おでかけ倶楽部の第1回では布施ルート、根戸ルートを歩いている。

一番新しいニュースは、市交通課が「高齢者が利用できる交通手段について」を発行し、その中で高齢者の移動にお役にたっているとして、このマップ全4巻を写真入りで紹介している。これこそが、私たちが目指したものであった。


  
オオバン通りに街路樹を(オオバン通り緑化プロジェクト)   吉澤 淳一(会員)
【高野瀬さんの手紙】
この話は、会発足の翌年から始まった。我孫子駅南口一帯の区画整理事業の見通しがたったころだと思うが、街並み班を率いる高野瀬恒吉さん(故人)が、オオバン通りに街路樹を植えて、並木道にしょうという構想を持った。平成14年に、最初は個人名で福嶋市長(当時)に要望書を提出している。エリアは本町1丁目のT字路(当時は博正建設)から緑1丁目の郵便局辺り迄だと思う。回答は、幅員が十分ではない、沿線住民、道路管理者の千葉県との協議が必要との事で、お決まりの「検討する」的な回答だった。次のアクションまでに7年ほどかかっている。

この間会長名で「知事への手紙」を出しているが、どのような回答だったか記録がない。星野市長時代の平成21年、当該エリアの区画整理がほゞ終わった段階で、会長名で要望書を提出した。歩道が拡幅されたので、我孫子の模範となる街並みとして植樹を要望したもの。回答は、街路樹植栽によって見通しが悪くなり交通事故が懸念されるので、公安委員会から交差点付近には植栽しないよう指導を受けている。また、コスト面からも植栽は困難である。との事であったが、希望的な文面も見受けられた、それは、道路構造令の規制緩和が検討されているので、変更歩道幅(3m)でも可能かどうか研究する。街路樹の植栽を含め景観に配慮した道路整備について道路管理者である千葉県と協議していく。というもので、一筋の光は見えてはきたが。


【バーチャルリアリティの写真で事態が動いた】
このままでは、なかなか前に進まないと考え、一計を案じた。オオバン通りに街路樹を植えると、素晴らしい並木道になるということを写真で見てもらおうというものだ。オオバン通り我孫子駅入り口付近の写真数カットに、CGで緑濃い街路樹を植えてみたもの。現実の写真とCG写真の差は一目瞭然で、誰もがこれはすごいと唸ったものだ。(下段の写真:撮影は筆者、CG制作は野口さん)平成24年の事である。

11月には青木副市長、地域整備課長、景観推進室長が要望の相談に柏土木事務所にこの写真を持参して出向いてくれた。土木事務所からは、景観審議会(後述)や景観アドバイザーの意見を聴いて再協議してはどうかとの助言があった。翌25年市は景観アドバイザーと相談し景観審議会を開催したが、前進はなかった。これを受けて会では野口さんを中心に「オオバン通り緑化構想書」を作成し、市にプレゼンテーションを行った。これで、再び事態が動き出した。平成26年に開かれた景観審議会では、市が緑化の基本的考え方を示すに至り、柏土木事務所に要望書を出すことの了承が得られた。ついに、市長名で正式の要望所が柏土木事務所に手渡されたのである。そして「県による樹木の整備は難しいが、植樹桝の整備は協力できるのではないか」との回答が得られた。又、既存道路への街路樹植樹は県内では実績が無いともいわれている。12年の年月が経っていたが、この間担当部局が努力してくれて市のトップが動いたことに感謝である。しかし、まだ予断を許さない状況が続くのである。■次ページへつづく
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