ランドアートと景観       吉澤 淳一(会員)
「我孫子のいろいろ八景見聞綴り」の表紙やマスコット キャラクターのオオバン君のデザインを考案した、吾妻勝彦さんの最近の作品を紹介します。吾妻さんについては「回顧録」(■18.我孫子のいろいろ八景事業)でも記述しているので、ご記憶の方もいると思います。「白樺派のカレー」のパッケージやランチョンマットなど一連のデザインも手掛けていて、どの作品も好評を得ています。柏市在住の方です。

 私はこれまでに、彼の本業である造形作家としての作品の数々に接してきましたが、芸術に疎い私にとって、当初はその奇抜さ、斬新さに驚かされました。前述の一連のデザインとの乖離が大きすぎたのです。

「我孫子手作り散歩市」では常連の出品者で、布佐市民の森、手賀沼親水広場、天神山緑地、旧村川別荘、杉村楚人冠公園などで新作を発表してきたので、目にした方もいるでしょう。各地で個展やグループ展も開いています。2018年にはポーランドのランドアートフェスティバルにも招かれて制作しています。そう、ランドアートと言われると、これら作品群の理解度が増してきます。

彼は、I love youという理念が作品の根底に流れているのだ、と説明してくれています。曰く「"I LOVE YOU "といういろんな形をしたエレメントは、まんがの吹き出し(speech Babble)です。大地が私たちにたくさんのエネルギーをくれるように、作品を見てくれた人たちに、I love youのメッセージが伝わればいいと思っています。」と。


本年3月に日本橋・ちば銀ギャラリーで開催された個展(上の写真)では、次のようなメッセージを掲げていました。「美術の仕事も、誰かがある作品の前に立っただけで、心を動かす力がきっとあると信じています。ものづくりや表現の可能性は、まだまだ尽くされてはいないのです。そして、色がくれる楽しさ、わかりやすさは、もっと大切になっていくだろうと思います。」

手賀沼親水広場の作品群「空と大地の間で」(下の写真)を観た時に、ランドアートが景観に溶け込んでいるような気がしました。吾妻さんの右後方に見える白いものは、イタリアで活躍する彫刻家安田侃(かん)の"天泉"という作品で、これもランドアートと言えるでしょう。景観とランドアート、野口修さんの出番かもしれませんね。
「空と大地の間で」 人物は吾妻さん
 - 28 - 館林市を訪ねる
          6月1日(木)   宮内 昭男(会員)
4年ぶりの開催に台風の余波が心配されましたが、朝から好天気で、「ふれあい広場」を23名で出発しました。
  館林市は個人的にも興味があり参加しました。それは「渡良瀬遊水池」と「田中正造記念館」です。私の祖先は、渡良瀬遊水池となった谷中村で足尾銅山から渡良瀬川に乗って流れてきた鉱毒の被害を受け古河市に移ることになりました。田中正造はこの鉱毒公害に抗議して、天皇に直訴したことで一般にも知られています。

話を本題に戻しますと…最初に館林駅前に降り、ここで市民ガイドさんと合流し、なぜ地方の駅とは思えない洋風の立派な建物なのかを説明して頂きました。

城沼の水辺を歩く参加者

この後、館林市が整備した「歴史の小径」を歩き江戸時代からの歴史的家屋などの説明を受け、その後、平日にもかかわらず武鷹館(ぶようかん)を開けて頂き、明治時代に思いを馳せました。
ここでガイドさんと別れ、館林うどん本丸で、久しぶりに美味しい御膳を食べることができました。食事の後は、緑豊かなつつじが岡公園を散策し、花菖蒲を鑑賞して最後を飾りました。
館林市のたぬきのマンホール
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