インタビュー「景観を守る人々」・・・「大原邸のガーデン」大原素子さん
日時 2004年2月9日(月)  4:20pm   訪問:富樫、高橋、清水
今回は、■第7回(2003年)景観賞で、新設の景観住宅賞を受賞された「大原邸のガーデン」の大原基子さん宅をお訪ねした。お宅は天王台駅から歩いて3分、緑多い公園のそばの一角にある。

景観住宅賞は、個人住宅などのガーデニングや、景観づくりを対象に送られるもので、表彰の理由としては、「個人の努力で美しい景観が創出、維持され、周辺住民や通行者に公開されていること。同様の個人住宅などの今後の景観づくりの手本になりうる点。」が評価された。

色とりどりの美しい花が咲いている庭を一望に見渡せるオープンスペース(Space磊)で、お話を聞きながら至福のひとときを過ごす。 

⇒大原さんのご出身は我孫子ですね。
はい。我孫子で育ち、我孫子が好きで、主人の協力があってずっとここに住んでおります。

⇒何かサークルを主催されていらっしゃるとか。
子育てと仕事で追われ、気がついたら30年も過ぎてしまって・・・そろそろ何か好きな習い事でも始めようと思ったのですが、いざ始めようと思ったらたくさんありすぎて・・・(笑)
それなら先生に来ていただいて家でできたら、限られた時間の中でいろいろな事を習えるかもと思ったのが、オープンスペースを作ったきっかけです。

幸いお友達の中に、素晴らしい才能をお持ちの女性がたくさんいらっしゃって、その方達の協力とアドバイスをいただきながら、楽しい集まりを毎月催しています。

⇒どのような催しをしているのですか。
今ですと、英会話・編み物・ビーズ・絵てがみ・ガーデニング・おもてなし教室・・・などをやっております。又、コンサートやワインパーティーを企画し、若い方や年配の方々との交流の場として家中を開放することもあります。昨秋には、アメリカやイギリスでも活躍している「舞踏家とフルート」のジョイントコンサートを、庭をバックに催したのですが、こちらも大変ご好評をいただきました。(www.nikkosmusic.com)

⇒演出が面白いですね。ところで、花壇の演出のアイディアはどこからくるのですか。
海外に行って気付いたのですが、海外で目にする多くの庭園・花壇は、オープンデアプローチがあって、広々としていてまったく閉塞感がないんですね。たとえお庭がないお家でも、ベランダを上手に工夫して外からでも目を楽しませてくれます。
●大原素子さん宅(柴崎台)
それに引き換え、日本は狭い土地を門塀で囲って、庭や花壇を作ってらっしゃる方が多くとても残念だと思います。これでは愛情をもって育てた草花はむくわれません。せっかくの草や花の美しさを多くの方々と共有できたら、世の中はもっと素敵に住みやすくなるのではないでしょうか。

⇒庭園を花で飾ろうというお考えは。
特にはありません。草ひとつ抜けなかった私ですが、訪ねて来られた方に少しでも楽しんでもらえたらと思い、皆さんに教えていただきながら、自分なりに好きな花を配色や配列を考えながら植えました。

最近では種がこぼれたり、鳥が運んでくれたものが、庭を思いがけない配色に彩ってくれるんです。こういったたくさんの小さな力の発見も、ガーデニングの醍醐味なのではないでしょうか。

⇒お庭の正面にあります、「カエル」のオブジェも印象的ですが。
これは、庭のポイントになるようなオブジェを考えていた時に、たまたま知り合いましたお若いアーティストの発案なのです。

ここを通る子供たちにもとても人気がありまして、今では来客を「むカエル(迎える)」役目と、無事に「カエル(帰る)」ことを願う、我が家のシンボルです。(笑)

⇒ガーデニングには美しい景観づくりとともに癒しの効果もあるのですね。本日はどうも有り難うございました。
(まとめ高橋正美)

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