シリーズ「まちの美化に取り組む人々」−36― 
      
 「寺田みどりの森ボランティアの会」                   秋田 桂子(会員)
「寺田みどりの森ボランティアの会」が国土交通省の表彰を受けたことを知り、早速、活動日である6月18日(第3日曜日)に吉澤会長と出かけた。「寺田の森」と書かれた立派な門を入る。

朝一番の仕事を終え、丁度休憩時間となる10時に伺うと、伐採した木の手作りベンチで私たちを迎えてくださったのは、会長の富永博子さん・国夫さんご夫妻を中心とした会員の皆さん。

これも手作りのテーブルの上には、表彰式の行われた金沢土産の金箔入りのカステラやお菓子やお茶が並んでいた。おやつをいただきながら伺うと「きっかけは、この地域の松園団地に住む24人の人たちが"マンションが立ち並び、子どもたちの遊び場がなくなり、緑地も少なくなってしまう。"この緑地を使わせてもらおう"と所有者の寺田清さんに自治会でお願いをして、整備を始めたのは平成13年10月でした。森の名前を所有者の名前に因み『寺田の森』と名付けました」とのこと。

現在は実働8人で約1000坪の森を手入れされている。一輪車・剪定ばさみ・塵取り・箒はもちろんのこと、草刈り機やチェーンソーまで揃っている。器具を研いだり磨いたりできる人が会員の中にいらっしゃるとのこと、頼もしい。

「14年も続けていると、会員がだんだん高齢になり、新しい会員を募集しているのですよ。年齢も住んでいる場所も関係なく参加してほしいです」
「活動日は、毎月第3日曜日9時から11時30分です」
「楽しい雰囲気で作業ができ、気持ちのいい汗がかけますよ」
「この活動は、元気の素ですね」「仲間でする楽しさがあります」
「飲み会ももちろんあります!」と、話をしているところへ、今日は体調を崩して参加できない会員の方が栄養ドリンクを差し入れに来てくださる。
おやつタイムの後に、早速森を案内していただくと、伐採した木を利用して小径が作られていて歩きやすい。大きく伸びた木々の木漏れ日がまぶしい。桜や新緑の頃が一番のお勧めとのことだが、整備された森は、いつの季節も心地良い。

「国道6号線の傍だから、騒音は仕方ないね」というより、この森が国道の傍にあることで、どれだけ騒音や排気ガスから私たちを守っていてくれるのだろうと、その恩恵を改めて感じた。

表彰状を持つ富永会長と会員の皆さん

※「寺田の森」へは、「あびバス景観散策マップ船戸・台田ルート編」(発行:我孫子市 企画・編集:当会)参照

 国土交通大臣による第25回「みどりの愛護」功労者表彰に、我孫子市の2団体が受賞した。
 受賞は全国で133団体、その内我孫子市から「寺田みどりの森ボランティアの会」「根戸森の通学路を明るくする会」(■31号)の2団体が選ばれている。昨年は130団体で、我孫子市からは何と7団体が選ばれていた。その内「おやじ&おふくろの会」(■36号)「花かご会」(■42号)「船戸の森の会」(■33号)は、「根戸森の通学路を明るくする会」と共に、既に本紙で紹介しているので、今号では今年受賞した「寺田みどりの森ボランティアの会」を紹介した。他の会も機会をみて紹介していきたい。
※団体名の後の( )内の数字は、本紙「景観あびこ」の掲載号を示す。
旅先の1枚 飫肥(おび)城の電話ボックス              飯沼 明子(会員)
 
5月の宮崎で国道を走っていると、突然、両側の風景が一変しました。日南市の飫肥(おび)城下町であった。江戸情緒が残る町並みで、白と黒に統一されていました。

城跡に向かうとNTTの電話ボックスが手作りで、水路には錦鯉が悠々と泳いでいました。時を忘れる小1時間の散歩、ちょっと得した気分でした。



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